高円寺の炉端で見たこの植物は、チェリーセージ(サルビア・ミクロフィラ Salvia microphylla)のようです。赤い筒状の花が長く咲き続け、やや細かくて柔らかな葉を持つことが特徴で、庭植えや鉢植え、街路の花壇などでよく見られる宿根草です。
チェリーセージはシソ科サルビア属の植物で、原産地はメキシコからアメリカ南西部です。開花期が非常に長く、春から晩秋まで次々と花を咲かせます。花色は赤が代表的ですが、ピンクや白、複色など品種も豊富です。葉を軽く触ると、ほんのりとフルーティーな香りがすることがあり、これが「チェリーセージ」という名前の由来の一つとも言われています。暑さや乾燥に比較的強く、初心者でも育てやすい植物です。
サルビア属と薬用の歴史
「サルビア(Salvia)」という属名は、ラテン語の salvare(癒す、救う)に由来します。ヨーロッパでは古くからセージ類が薬草として利用され、消化促進、抗菌、抗炎症作用などが知られてきました。チェリーセージ自体は主に観賞用ですが、同じ仲間に属するコモンセージ(Salvia officinalis)などは、現在でもハーブとして広く使われています。
目に関連した知識・トリビア
直接「目の病気を治す植物」としてチェリーセージが使われることはありませんが、サルビア属全体には抗酸化作用をもつポリフェノール類が含まれることが知られています。抗酸化物質は、加齢や紫外線、炎症などによる酸化ストレスから体の細胞を守る働きがあり、これは眼の老化(白内障や加齢黄斑変性のリスク)とも関係する概念です。
また、ハーブとしてのセージは、昔の民間療法で「疲れ目の温罨法や蒸気吸入」に使われた記録があります。これは科学的治療というより生活の知恵に近いものですが、香りによるリラックス効果が、眼精疲労に伴う緊張を和らげた可能性は考えられます。現代眼科医療では点眼薬や環境調整が基本ですが、植物の香りや緑を見ることが気分転換となり、目を酷使しがちな生活の中で間接的に役立つことはあります。
まとめ
チェリーセージは、長く花を楽しめる丈夫な観賞植物であり、直接目の治療に用いるものではありません。しかし、サルビア属がもつ「癒し」のイメージや抗酸化という考え方は、眼の健康を守る生活習慣(紫外線対策、休息、栄養)を考える際のヒントになります。庭や道端でこの花を見かけたら、少し目を休めて眺めてみる――それも現代人の目にとって、ささやかな健康習慣と言えるかもしれません。
ちなみに普通のサルビアの写真は次の通り。




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