ノヴァルティス社は眼科用剤部門をボシュロム社に、25億米ドル売却したことをプレスリリースで発表しました。関連商品にはドライアイ治療薬Xiidra(シードラ)ほかが含まれるという事ですが、日本では発売に至ってはいなかったのでしょう。2019年にドライアイ治療薬「XIIDRA」は53億ドルで、武田薬品からスイスの製薬大手ノバルティスNOVN.Sに売却されたという報道があった薬剤ですから、今回ノバウティス社は大分安く手放したようです。その前には武田製薬が(シイドラなどを含む)製品開発力の高いシャイアー社を、丸ごと買い取ったという経緯がありました。確かこのシイドラの国内治験は、シャイアー社の手で始められかけたのですが、発売権が武田の手に渡った後に、治験の開始が中止になっていたような気もいたします。
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ノバルティス、「前眼部」向け眼科用剤の資産売却を完了
プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2023年9月29日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。
- ドライアイ治療薬Xiidra®ならびにそのほかの開発中の眼科用剤を売却
- ノバルティスは、将来の成長に向け注力製品および優先度の高い領域への戦略を強化
2023年9月29日、スイス・バーゼル発 ― 本日、ノバルティスは、25億米ドル(前払金の現金17億5,000万米ドル、ならびに追加のマイルストーン支払金を含む)を上限として、世界的アイヘルス企業であるボシュロム社への「前眼部」向け眼科用剤の資産の売却を完了したと発表しました。
本案件には、ドライアイ疾患の他覚所見および自覚症状の治療薬として最初に承認された処方薬であるXiidra®、眼表面における慢性疼痛(COSP;chronic ocular surface pain)に対するファーストインクラス治療薬として開発中のSAF312(libvatrep)、ドライアイの適応症に対するAcuStream点眼用デバイスの使用権利、非臨床開発段階にある第2世代のTRPV1拮抗薬であるOJL332が含まれます。
ノバルティスのストラテジー&グロウス(成長戦略)部門の最高責任者であるRonny Galは、次のように述べています。「今回の売却完了は、疾患による負荷が大きい領域に優先的に投資しポートフォリオを前進させるという当社の戦略を後押しするとともに、当社の将来的な可能性の維持にも寄与します。ボシュロム社の一員として今後もXiidra®および開発中のそのほかの治療薬を患者さんに届けるための努力を続けてくださる、才能にあふれる『前眼部』向け眼科用剤チームの皆さんに、ノバルティスを代表して感謝を申し上げます。」
契約条件に基づき、ノバルティスは、前払金の現金17億5,000万米ドルに加え、Xiidraの販売額の達成度合いならびに特定の開発中の製品の上市および販売額の達成度合いに応じて、最大7億5,000万米ドルのマイルストーン支払金を受け取る予定です。患者さんに本製品を安定的に供給するため、取引完了後の一定期間における移行契約に基づき、ノバルティスがボシュロム社に代わって患者さんへのXiidraの供給を継続します。
注:Xiidraの適応症と使用法
Xiidra (lifitegrast 点眼液) 5% は、ドライアイ疾患 (DED) の徴候および症状の治療に適応されるリンパ球機能関連抗原-1 (LFA-1) アンタゴニストです。( 1 )
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