◎ ブログを元に、最近の話題を取りまとめてこの「自由が丘清澤眼科最近の話題:長版)と、それから記事を厳選したメルマガの発信をしています。今回(9月8日)で82号。メルマガ読者数は眼瞼痙攣患者さんを中心に(8月31日で)844人になりました。(⇒視聴登録募集。ご登録はこちらから)、登録取り消しも簡単にできます。さて、一度読めていたのに、最近メルマガ配信が中断したという方は、あなたの携帯電話の迷惑メールボックスに入っている可能性がありますので来院時に当院職員にご相談ください。
① ご近所の話題など
◎ 自由が丘に「アイムドーナツ」オープン ― 生ドーナツの魅力と目の健康のお話
中目黒で連日行列ができるほどの人気を誇る生ドーナツの「アイムドーナツ I ’mDonuts?」が、新たに自由が丘駅前に出店しました。場所は、かつて不二屋書店があった跡地。開店予定日は2025年8月30日。2階は亀裂喫茶店ダコーです。初日に整理券をもらってきましたが、利用はまだです。
◎ NHKスペシャルで「マスク氏とトランプ氏」を見直す
友人から、「NHKでマスク氏とトランプ氏の“正体”に迫る特別番組があり、それを観ると二人への見方が大きく変わる」と聞きました。NHKスペシャルで放送された、「イーロン・マスク “アメリカ改革”の深層」(2025年8月10日放送)と「巻頭言2025 新・トランプ時代 混迷の世界はどこへ」(2025年1月2日放送)とという二つの特集でした。ことにマスク氏への解説は、これまでのニュース報道とは異なる深い切り口があり、確かに印象が大きく変わる内容でした。私の周りでも米国の知人の一人が9月で失職するそうです。
◎ トランプ関税に違憲判決?最高裁で決まるその行方
2025年8月29日、米ワシントンの連邦巡回区控訴裁判所が注目すべき判断を示しました。トランプ大統領が導入した「相互関税(reciprocal tariffs)」を含む一部の関税措置について、下級審の「違憲・違法」とする判決を支持したのです。司法が「大統領権限の乱用」に再びストップをかけた形になります。しかし、おおよその予測は国会で関税を決議すればそれで通るだろうという雰囲気のようです。一方赤沢氏の担当した日米合意履行の大統領令は9月4日に署名されました。
◎ 松本潤さん主演ドラマ「19番目のカルテ」と線維筋痛症 ― 日本の医療が抱える課題を考える
TBSの日曜劇場「19番目のカルテ」、松本潤さんが「総合診療医」を演じるドラマ。その話題は「総合診療医」と「線維筋痛症」。原因不明の全身痛を特徴とし、線維筋痛症は診断がつくまでに長い時間と複数の病院を経なければならない難しい疾患です。
◎ 保険証の使い方が変わっています ―
本日の脱税理士菅原君の話題では、現在使われている健康保険証が「使えなくなっている人」と「まだ使える人」が混在しているという、非常にややこしい現状が紹介されていました。全国的には混乱が起きているようですので、その事情を整理してわかりやすくご説明します。
②一般患者さん向けの眼科の話題
◎ ぶどう膜炎や視神経炎に眼科で行われる「ステロイドパルス療法」とは
眼科では、通常の治療では抑えられないほど強い炎症や免疫の異常が出た場合に「ステロイドパルス療法」という特別な治療を行うことがあります。これは副作用の可能性もある強力な治療ですが、重症の病気で視力を守るために必要になることがあります。ここでは、その対象疾患、目的、方法、効果、副作用、そして治療後の流れについてご説明します。
◎ 原田病(Vogt–小柳–原田病)とは?
原田病は、自己免疫の異常によって自分の体の中の「メラノサイト」という色素をもつ細胞を攻撃してしまう病気です。眼のブドウ膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)や網膜に炎症を起こし、両眼に視力低下やかすみを生じます。日本人で当時東大にいた若手の原田医師が発見者。小柳型は前眼部の炎症が主体で発見者の小柳義三は第二次大戦頃の東北大教授でした。
◎ ユーカリとティーツリー ― 街角の木と日々のドライアイケアをつなぐ植物の力
老人ホームのわきに一本の若木を見かけました。それはオーストラリア原産の「ユーカリ」でした。このユーカリの由来と、同じ仲間である「ティーツリー」という植物の精油を用いた洗顔剤をドライアイの日常の診療でどのように使っているかを紹介したいと思います。
◎ 涙阜に白い球状の隆起 ― その正体は?
涙阜(内眼角部の隆起caruncle)のなかに白い隆起がみられ、局所麻酔下に切開したところ、白色で球形、硬さのある約4mmの沈着物が摘出されました。考えられる病変には涙阜結石や類皮嚢胞などがあります。今回の症例の病理の回答はマイボーム腺嚢胞でした。
③ 此処からは論文紹介など眼科のやや専門的、学術的な話題です
◎ 血液検査と脳画像でわかる? ― アルツハイマー病の早期発見研究:アルツハイマー病研究の新しい挑戦
私もPET 研究の初期に参加したアルツハイマー病のPET 診断の研究では、このところ多くの追加論文が出てきており、概要もだいぶん変わってきているようです。認知症も血液検査と脳画像で診断されるように変わりつつある模様です。
◎ 緑内障:AIを使った新しい緑内障リスク評価 ― OCTがない場所でも役立つ可能性
「開放隅角緑内障(POAG)」は、初期には自覚症状が少なく、気がついたときには視野が欠けてしまうことが多いのが特徴です。従来から、緑内障のリスク評価には眼圧、年齢、角膜の厚み、視野検査、そしてOCTで診る視神経の形や神経線維層欠損などが用いられてきました。私はもちろんすでに使っていますが、AIでカラー眼底写真を診断すれば、OCTのない場所でもAIが緑内障リスク評価に活躍できるという話題です。
◎ 肥満治療薬と副作用への向き合い方 ― 減量効果と副作用のバランス
この薬剤(オゼンピックやマンジェロ)は糖尿の治療薬として最近は広く使われるものですが、脂肪の多い食事後に比較的すぐに起きて間もなく消退する下痢や、足の筋が脱落して歩く力が弱まるような自覚も出やすいものと自覚していました。JAMAの音声記事に詳しい記事がありましたので日本語にして要約してみました。
④ 眼瞼痙攣、ビジュアルスノウなど神経眼科関連の話
◎ 眼瞼痙攣と「まぶしさ」―片頭痛・朝の光・濃色レンズの関係
若倉先生からこのテーマで現在論文投稿中というお知らせと、内容を戴きました。この論文は未だ公開されていませんので、現在の羞明と高濃度サングラスに対する一般的見解をこれとは別に纏めてみました。
◎ 片頭痛とグルタミン酸 ― 新しい治療の可能性を探る; 片頭痛はビジュアルスノウとも深く関連しています:
グルタミン酸は、片頭痛の「痛み」と「前兆」の両方に関わる重要な因子であり、グルタミン酸受容体を標的とした治療法は新しいアプローチとして有望です。特に、既存のCGRP標的治療で十分な効果が得られない患者さんにとって、新しい選択肢となる可能性があります。CGRP標的治療は、片頭痛の発症において中心的な役割を果たすCGRP(カルシトニン)を標的としたモノクロナル抗体治療法です。CGRP関連抗体薬は、片頭痛の発作時に上昇するCGRPの作用を遮断することで、痛みや随伴症状を緩和し、発作頻度を低減させる効果を発揮します。
体をいたわってお元気でお過ごしください。
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