web講演会
症状・病型に応じたドライアイ治療戦略
~レバミピド懸濁性点眼液2%「参天」発売がもたらす可能性~
延長放送:2023年8月29日(火)13:00~9月1日(金)13:00
ドライアイの症状/病型に応じた治療アプローチ
座長/演者 堀 裕一 先生 (東邦大学医療センター 大森病院)
ムコスタの後発品だが、ボトルタイプ出る。
レバミピド懸濁性点眼液2%「参天」
開発の経緯・特徴と、開発にかける思い
演者 梅崎 慎也 (参天製薬株式会社 製品開発本部 製剤開発グループ)
演者は当製品の開発に携わった。製剤学的な話をする。参天製薬:参天の基本理念(天機に参与する)があり、企業ではこれが重要。研究でも同じ。体制は本社と奈良の研究所で行う。滋賀と能登に工場がある。後発品開発は容易と思われそうだが、後発品の処方開発も難しい。後発品では主薬濃度が先発品で先に決まっている。懸濁製剤であることも難しい。開発の経緯として、製品像TPP:target product profileがある。 ①マルチドーズ容器。②BAC フリー。③先発品との生物学的同等性。経緯は、処方(Ph,懸濁、BACフリー、コンタクトレンズが変形しない)、容器、生物学的同等性などの要件を満たす事が必要。開発に先立っていくつかの特性をあらかじめ決める。それが製剤設計で、処方設計、容器設計、生物学的同等性が必要だった。リバースエンジニアリングも利用した。殊に懸濁製剤なので、粒子径が大事。それには今まで使われていないポピドンの配合が良かった。防腐剤の選択も重要。従来の防腐剤はレバミピドと合わなかったので、防腐剤には硝酸銀を使った。容器設定は懸濁製剤であるが、その一滴量を先発品に合わせる必要があった。それにはディンプル容器を使った。材質ではSDGsにも留意した。殊に、生物製剤の同等性試験が難しく、製品開発に5年かかった。製剤特性:安定性では、遮光保存である。浸透圧比も揃っている。コンタクトレンズの上からの点眼を勧める訳ではないが、レンズを変性させないことも調べた。レバミピド懸濁性点眼液2%は:マルチドーズ製剤であり、ベンザルコニウム塩化物(BAKバック)無添加で、容器にはバイオマスプラスチック使用でSDGsにも配慮されている。
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