白内障

[No.2152] 猫ひっかき病の網膜病変:

提示されたのは網膜下に貯留液のある画像です。

鑑別は、トキソプラズマ、結核、ライム、梅毒、バルトネラ、サルコイドーシス、リケッチャ感染。バルトネラの血清IgM抗体が陽性で診断が確定されました。Brtonella Hensalae、つまり猫ひっかき病の局所脈絡膜炎と視神経網膜炎です。猫に引っかかれた既往や、耳前リンパ節の腫れがあります。

猫ひっかき病の眼症状と治療結果という論文が紹介されていました。

紹介された論文を見ますと:

猫ひっかき病:目の症状と治療結果
目的: 猫ひっかき病 (CSD) の眼症状と視覚結果を特徴付け、抗生物質の全身投与とコルチコステロイドの最終視力 (VA) への影響を評価する。

方法: 多施設共同後ろ向きコホート研究。 全国的なCSD監視研究で特定された3,222人の患者のうち、眼疾患を患う86人の患者(107の目)の医療記録が検討された。

結果: 平均年齢は 35.1 ± 14.2 歳でした。 追跡期間の中央値は20週。 視神経乳頭が腫れた107眼中94眼(88%)のうち、60眼(64%)が受診時に神経網膜炎を患い、14眼(15%)が経過観察中に神経網膜炎を発症し、20眼(21%)が炎症性乳頭浮腫と診断された。 視神経乳頭損傷43眼(40%)、ぶどう膜炎38眼(36%)、視神経障害34眼(33%)、網膜血管閉塞が8眼(7%)で認められた。 ベースラインは良好なVA(20/40より良好)が26/79(33%)、中等度の視力低下(20/40~20/200)35/79(44%)、重度の視力低下(20/200よりも悪い)は18/79 (23%)で見つかり、 最終追跡調査では良好 63/79 (80%)、中等11/79 (14%)、低度 5/79 (6%) の眼でした (p < 0.001) 。 有意なVAの改善(ベースラインと比較した最終追跡調査時のスネレン線の3つ以上の改善として定義)は、抗生物質とコルチコステロイドで治療した14/16(88%)の眼と比較して、抗生物質で治療した12/24(50%)の眼で発生しました( p = 0.02)。 多変量ロジスティック回帰でも同じ関連性が示唆されました (オッズ比 7.0; 95% CI 1.3-37.7; p = 0.024)。となっています。結論: 視神経乳頭病変は、眼 CSD (猫ひっかき病眼)の一般的かつ特有の症状です。 ほとんどの患者は改善し、最終的に良好なVAを獲得しました。 抗生物質とコルチコステロイドの併用治療は、視覚的転帰の改善と関連していました。;とのこと。

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より詳しい記載はこちらにあります。Bartonella henselae infection or cat scratch disease (CSD) | Bartonella | CDC

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