[No.2221] SSOHとは上部視神経低形成（superior segmental optic nerve hypoplasia)）

SSOH（上部視神経低形成）についての症状、診断、治療、および注意点についてまとめてみました。

SSOHは、視神経乳頭の上部が小さくなっている病気です。この病気には、視野欠損、斜視、色覚異常、眼球運動障害、網膜動静脈入口部の上方偏位、乳頭上方の scleral halo、乳頭上方部の蒼白化などの症状があります¹.

SSOHの診断には、眼底検査、視野検査、神経画像検査などが含まれます。治療法は特にありませんが、症状に応じて治療が必要な場合があります。例えば、斜視の場合は手術が必要な場合があります¹.

SSOHの注意点としては、緑内障と混同されることがあるため、正しい診断を受けることが重要です。また、SSOHは遺伝的な要因が関与しているため、家族歴がある場合は注意が必要です¹.

¹: 自由が丘 清澤眼科

〇　視神経低形成；神経眼科臨床のために（自著教科書から）

1 低形成 hypoplasia
a. 視神経低形成 optic nerve hypoplasia
■臨床的特徴■
● 乳頭が正常よりも少し小さく，陥凹を欠くか，または形がやや不整。
● しばしば乳頭周囲に色調の違う色素輪（本来の視神経の大きさを示す）を伴う（peripapillary　ring：“double ring” sign）。
● 網膜血管は迂曲していても管径は正常。
● 視野欠損の程度は様々で（周辺視野では自覚しない），やや程度の強いものでは視力不良，眼振を伴う事も有る。
● 網膜視神経線維層（RNFL）の菲薄化をみることがある（神経節細胞の寡少）。
● 高度の形成不全では，視神経管の形成不全，小眼球，脈絡膜欠損，瞼裂癒着，涙点狭小，眼瞼下垂，斜視，網膜血管奇形，虹彩欠損など，他の先天性眼部異常を伴うことが多い。
● 中枢神経系では，midline brain malformation（前交連や透明中隔の欠損，視交叉奇形，脳下垂体の発達遅延），孔脳症 porencephaly，脳幹異常，また，塔状頭蓋，両眼隔離 hypertelorism，口蓋・唇の欠損，短躯などもある。
● septo-optic dysplasia（de Morsier syndrome，ドモルシア症候群，中隔視神経形成異常症）として，視神経低形成，透明中隔欠損absence of septum pellucidum，下垂体性小人症pituitary dwarfism を伴う。HESX1，SOX2 遺伝子異常。シーソー眼振等で気づかれる。両耳側半盲様視野異常を呈することがある（両耳側半盲様視野異常を呈する病態）。この時，視野欠損は垂直経線を越えていることに注意（図6　両耳側半盲，両耳側半盲様視野異常，接合部暗点）。

緑内障の鑑別診断としての上方視神経部分低形成(SSOH):山本論文から

視交叉病変を疑われた両側の鼻側視神経乳頭低形成の一例：自著論文紹介