コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.2372] 都会でも大雪に備えて「雪目対策」を

直射日光と同じくらいの紫外線を雪の照り返しで受ける

直射日光と同じくらいの紫外線を雪の照り返しで受ける

 今月6日の大雪で東京都心は混乱した。凍結した路面に足をすべらせ、歩行者の転倒事故が相次ぎ、首都圏では約150人がケガをした。

 大雪というと、どうしても足元ばかりが注意を奪われがちだが、積もった雪面からの照り返しによる“目の日焼け”にも気をつけたい。じつは雪面での紫外線の反射率は約80%以上と言われ、アスファルトの紫外線反射率の8倍以上とされている。つまり、直射日光と同じくらいの紫外線を雪の照り返しで受けることになる。自由が丘清澤眼科(東京・目黒区)の清澤源弘院長が言う。

「雪目とは、正式には『紫外線角膜炎』もしくは『雪眼炎』と言われる目の病気です。晴れた日にスキーをしたり、長時間雪かきしたときなどに、日中はなんともなかったものの、夜になって急に目が痛くなったり、目が充血して涙目なるなどの症状が現れます。これは紫外線が角膜上皮を傷つけた結果、上皮が剥がれ落ち、その下にある神経が露出して損傷を受けるからです」

 剥がれ落ちた角膜の上皮が復活するまで、通常は24~72時間かかる。その間は対症療法として人工涙液、細菌の重複感染を防ぐための抗菌薬軟膏、経口鎮痛薬、あるいは抗生剤、抗炎症剤、角膜保護剤が含まれている点眼薬が使われる。

■調光レンズも検討したい

 ただし、視力低下を伴うようなケースもある。では、紫外線角膜炎を予防するにはどうしたらいいのか? ㈱ニコン・エシロールのビジョンケア本部長の加藤宏太郎氏が言う。

「普段からプラスチック製レンズのメガネをかけている人は、その多くが紫外線カット仕様になっていて、目はある程度紫外線から守られています。しかし、晴れた日に、積もった雪からの照り返しはまぶしい。なんとかしたいという人は調光レンズを使う手もあります」

 調光レンズとは、紫外線の量によってレンズの色の濃度が変化するレンズで、紫外線が当たる屋外ではサングラスのような色に変わり、屋内など紫外線が当たらない場所ではクリアなレンズになる。調光レンズのメガネを1本持っていれば、かけ替える手間なくメガネとサングラスを使い分けることができる。

 あなたも調光レンズによる雪目対策を検討してみてはどうだろう。

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