糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜疾患

[No.2798] 前黄斑線維症(黄斑上膜)の症状、診断、治療は?

前黄斑線維症(premacular fibrosis)は、網膜の黄斑部分に線維性の膜が形成される疾患です。以下に、その症状、診断、治療法について説明します。

症状

前黄斑線維症の主な症状には以下のものがあります:

  1. 視力低下:物がぼやけて見える、視力が徐々に低下する。
  2. 変視症:直線が歪んで見える(例:ドア枠が波打って見える)。
  3. 視野欠損:視野の一部が見えなくなる。
  4. 中心暗点:視野の中心に暗い点が現れる。
  5. 飛蚊症:視界に浮遊物が見えることがある。

診断

前黄斑線維症の診断には以下の方法が用いられます:

  1. 眼底検査:眼科医が網膜の状態を直接観察します。
  2. 光干渉断層計(OCT):網膜の詳細な断層画像を取得し、黄斑部の膜の厚さや位置を確認します。特にOCT wideというモードが有効です。
  3. 蛍光眼底造影(FA):蛍光色素を用いて網膜の血管の状態を調べます。

治療

前黄斑線維症の治療法は、症状の重さや進行具合によります。以下の方法があります:

  1. 経過観察:症状が軽度であれば、定期的な検査で状態を観察します。
  2. 硝子体手術(ビトレクトミー):視力低下や変視症が進行している場合、硝子体手術を行い、網膜表面の膜を取り除きます。手術により多くの場合、視力の改善が期待できます。

注意点

手術後も再発する可能性があるため、定期的な眼科検診が重要です。また、早期発見・早期治療が視力の維持に重要ですので、視力の異常を感じた場合は速やかに眼科医を受診することをおすすめします。

これらの情報を患者さんに提供し、症状の変化や疑問があれば常に相談するように促すことが重要です。

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