ドライアイ

[No.2817] ドライアイの分類、症状、診断法、そしてその治療法を述べます。

「渇き目」という意味のドライアイの分類、症状、そして診断法を示し、さらにその治療法を述べます。

 

ドライアイは、涙液の量や質の異常によって目の不快感や視機能の異常を引き起こす疾患です。以下に、ドライアイの分類、症状、診断法、そして治療法について説明します。

分類

ドライアイは大きく3つのタイプに分類されます12

  1. 涙液減少型:涙腺からの涙の分泌量が減少するタイプ。
  2. 蒸発亢進型:涙の表面に乗るマイボーム腺由来の油分が不足して、涙が蒸発しやすくなるタイプ。
  3. 水濡れ性低下型:目の角膜表面を覆い涙と眼表面の適合性を改善するムチンが不足するタイプ。

症状

ドライアイの主な症状には以下のようなものがあります34

  • 目の乾燥感
  • 目のごろつき (刺激性涙液分泌の増加で、流涙を訴えることもあります)
  • 充血
  • 目の疲れ
  • 目やに
  • 目の重さ
  • 不快感
  • 光に対する過敏症(羞明感)

診断法

ドライアイの診断には以下の方法が用いられます15

  • BUT(涙液層破壊時間):フルオレセイン染色を用いて涙液層の安定性を測定し、涙液層は短時間が5秒以下に短縮していればドライアイと診断されます。
  • シルマーテスト:細く切った濾紙を瞼に挟んで涙液の分泌量を測定します。
  • 自覚症状の評価:患者の自覚症状(眼不快感や視機能異常)を確認します。

治療法

ドライアイの治療法には以下のようなものがあります67

  1. 点眼治療:人工涙液(生理食塩水など)や、ヒアルロン酸製剤(ヒアレイン)、涙液分泌増加させるジクアス、角膜表面の摩擦を減らすジクアソホルなどの点眼薬を使用します。
  2. 外科治療:液体または固体の涙点プラグを用いて涙の排出口(4か所の涙小点)を塞ぎ、涙を眼表面に保持します。
  3. 生活習慣・環境の改善:パソコンやスマートフォンの使用時間を減らし、適度な休憩を取ることや、加湿器を使用して室内の湿度を保つことが推奨されます。

ドライアイは適切な治療と生活習慣の改善によって症状を緩和することが可能です。もし症状が続く場合は、早めに眼科を受診することをお勧めします。

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