白内障

[No.2902] 白内障を定期的に経過観察する必要性

白内障は、水晶体が徐々に濁ることで視力に影響を与える疾患です。加齢が主な原因ですが、糖尿病や外傷、薬物の影響でも発症することがあります。多くの場合、白内障はゆっくり進行し、初期段階では自覚症状が少ないかもしれません。しかし、病状が進むと、視界がかすみ、明るい場所での眩しさ、夜間の視力低下、物が二重に見えるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。このため、定期的な眼科検診が非常に重要です。

定期受診の重要性

白内障の進行には個人差があります。そのため、定期的に眼科で検査を受けることで、病状を正確に把握し、手術のタイミングを見極めることができます。特に高齢者や糖尿病をお持ちの方は、白内障が早く進行する場合があるため、視力検査や眼圧測定を定期的に行うことが必要です。定期検診では視力以外にも、緑内障や網膜疾患など、他の眼疾患の有無も確認します。白内障が進行していく中で、他の疾患が見つかることもあるため、早期発見と適切な治療のためにも、定期的な受診が欠かせません。

必要な検査

白内障の診断には、以下の検査を行います。

  1. 視力検査
    現在の視力がどの程度低下しているかを正確に測定します。

  2. 細隙灯顕微鏡検査
    水晶体の濁りの程度や位置を詳しく確認します。白内障が進行すると濁りが目立ち、手術の適切なタイミングを判断する指標となります。

  3. 眼圧測定
    白内障が進行すると眼圧が上昇する場合があり、緑内障のリスクが高まります。眼圧の上昇は、風を使った簡単な検査で瞬時に測定できます。

  4. 眼底検査
    網膜や視神経に異常がないか確認します。糖尿病網膜症や黄斑変性が併存している場合、手術計画に影響を与えるため、この検査は重要です。最近では、散瞳しなくても広い範囲を確認できる眼底カメラも使用されています。

  5. OCT(光干渉断層計)検査
    網膜の詳細な状態を確認するために行う検査で、特に黄斑部の異常があるかどうかを調べます。黄斑部に問題がある場合、手術後の視力回復に影響するため慎重な判断が必要です。

白内障手術について

白内障の唯一の治療法は、手術による濁った水晶体の除去です。手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。手術は一般的に15分程度で終わり、入院は不要です。手術のタイミングは、生活に支障が出るほど視力が低下した時が目安です。運転や読書、仕事に支障が出てきた場合、手術を検討することが推奨されます。

手術を早めに行うメリット

  1. 合併症のリスク軽減
    白内障が進行しすぎると手術が難しくなり、眼圧が上昇して緑内障のリスクが高まることがあります。早期手術により、これらのリスクを軽減できます。

  2. 視力の安定
    早期の手術により視力を安定させ、日常生活をより快適に過ごすことが可能です。

  3. 左右の屈折差を防ぐ
    片目だけ白内障が進行した場合、左右の屈折差が大きくなり見え方に違和感を感じることがあります。この場合、手術によって均等な視力を取り戻すことができます。

まとめ

白内障は避けられない加齢現象の一つですが、定期的な眼科受診と適切なタイミングでの手術により、視力の回復と生活の質の向上が期待できます。視力の変化や眩しさなど、気になる症状があれば早めに眼科を受診し、専門医に相談しましょう。適切な診断と治療によって、健康な視界を保つことができます。

定期的な経過観察をお勧めします!

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