緑内障

[No.2936] 行い易い緑内障のスクリーニングテストについて:

緑内障のスクリーニングテストについて:

眼科学会では、40歳を過ぎたら緑内障除外の検査を受けることを推奨しています。では、具体的にどのような検査が適しているのでしょうか?まず、眼圧測定は一般的な検査ですが、正常眼圧緑内障を見逃す可能性があります。私は、OCTを用いて網膜の神経線維層の欠損を探すことが最も感度が高く、患者さんへの負担も少ないと考えています。最終的には、ハンフリー視野計30-2による視野検査が最も正確ですが、各眼の検査に6分以上かかり、患者さんの負担も大きいため、必要な場合に限られます。

緑内障のスクリーニングに関して、40歳以上の患者さん全般に推奨される検査は次の通りです。これは、多くの眼科学会や専門家が推奨している一般的な検査方法です。

  1. 眼圧測定(トノメトリー)
    眼圧測定は緑内障検査の基本ですが、眼圧が20mmHg以下であっても正常眼圧緑内障を見逃すことがあるため、眼圧だけに頼るのは不十分です。特に日本では正常眼圧緑内障が60%程度と高い割合で発生しているため、眼圧が正常でも他の検査が必要です。
  2. 視神経乳頭の観察(眼底検査)
    眼底鏡やカラー眼底写真を用いて視神経乳頭を観察し、乳頭陥凹拡大や神経線維層欠損を確認します。ただし、眼底検査だけで網膜神経線維層欠損を正確に見極めることは難しいです。
  3. 光干渉断層計(OCT
    OCT
    は、乳頭陥凹拡大や網膜神経線維層(RNFL)の欠損を早期に発見できる高感度な検査方法で、患者への負担も少なく非常に有用です。網膜の神経線維層と黄斑部の層構造を詳細に観察できるため、緑内障やその他の眼底疾患の初期段階での変化を捉えることができます。スクリーニングには理想的です。
  4. 視野検査(ハンフリー視野計30-2
    緑内障が進行すると視野欠損が現れます。ハンフリー視野計30-2は高精度な視野検査ですが、簡便法でも各眼の検査に約6分かかり、患者さんにとって負担が大きいです。初めての検査では技術的な問題で異常結果が出ることもあるため、視野欠損が疑われる場合や診断の最終確認として行うのが一般的です。
  5. 前眼部OCTまたは隅角検査(ゴニオスコピー)
    隅角の開放度を評価することで、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障を区別します。閉塞隅角は細隙灯顕微鏡での評価も可能ですが、閉塞隅角緑内障のリスクがある場合は、厳密な診断のため隅角検査が必要です。

このように、OCTによる網膜神経線維層の検査は感度・特異度が高く、スクリーニングには最適です。眼圧測定を補助的に行い、必要に応じて視野検査を追加することが効果的です。

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