サンマは目黒に限るという落語がありましたが、私の自由が丘清澤眼科は目黒区にあります。いよいよ秋になってさんまの季節です。私は先日仙台で行われた同級会の2次会で塩焼のサンマ一尾をごちそうになりました。姿はまだ小ぶりで脂の乗りも今一つと感じました。今年の日本のサンマはどうでしょうか?:
2024年のサンマ漁獲状況と脂の乗り
秋の味覚として親しまれるサンマですが、今年の漁獲状況と脂の乗りについては、2023年度の「サンマ長期漁海況予報」によると、漁期を通じた来遊量は低水準で、昨年と同水準と予測されていました。しかし、10月上旬には宮城県気仙沼での水揚げが昨年の2倍のペースで進んでおり、一部では「豊漁の兆し」と報じられました。それでも、1990年代の30万~40万トンに比べると、現在の漁獲量は大幅に減少しており、今年の漁獲量が4万トンに達したとしても、過去の10分の1に過ぎません。
脂の乗りについては、サンマの脂肪量は8月頃から10%前後で、10月から11月にかけて20%前後に増加します。この時期になるとサンマが美味しくなり、旬を迎えます。しかし、今年のサンマは全体的に小ぶりで、脂の乗りも例年に比べてやや控えめと感じられるかもしれません。
サンマの栄養と目の健康
サンマは栄養価が高く、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)という脂質が豊富に含まれています。これらの脂質は脳の神経細胞の細胞膜の材料となり、記憶力や学習機能の向上、アルツハイマー病の予防に役立つとされています。また、EPAは血管や赤血球の材料となり、血管を柔らかくし、血流を良くする効果があります。
さらに、サンマにはビタミンAが豊富に含まれており、これは目の健康に非常に重要です。ビタミンAは視物質レチナールの原料で視力の維持や夜盲症の予防に役立ちます。特にサンマのはらわたにはビタミンAが多く含まれているため、はらわたも一緒に食べることで、より多くの栄養を摂取することができます。
サンマの選び方と保存方法
新鮮なサンマを選ぶ際には、目が潤っているもの、エラが鮮やかな紅色のものを選ぶと良いでしょう。また、内臓に硬さがあるものは新鮮で、ぷよぷよと柔らかいものは鮮度が落ちている可能性があります。脂の乗ったサンマは背びれと腹の長さである体高が高いものが目安です。
保存方法としては、冷蔵保存する際に頭や内臓を取り除くと匂いが酷くなりにくく、傷みにくくなります。冷凍する場合は、1匹ずつラップに包んで保存すると約3週間持ちます。
サンマの調理と健康効果
サンマは焼くと美味しいですが、脂っぽいので胃もたれしやすいことがあります。その場合は大根おろしを添えると良いでしょう。大根おろしにはリパーゼという脂質を分解する酵素が含まれており、油の分解を助けてくれます。また、サンマの焦げ目には発がん性物質が含まれることがありますが、大根の食物繊維がこれを体外に排出してくれます。
まとめ
今年のサンマは漁獲量が昨年よりも増加しているものの、過去の豊漁時代に比べるとまだまだ少ない状況です。脂の乗りも例年に比べて控えめですが、栄養価は非常に高く、特に目の健康に良いビタミンAやDHA、EPAが豊富に含まれています。新鮮なサンマを選び、適切に保存し、美味しく調理して、秋の味覚を楽しんでください。
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