社会・経済

[No.278] 【解説】 ウクライナでの開戦、どうやって分かるのか 2022年1月27日:記事引用

清澤のコメント:ニューヨークでナスダック株の暴落が報じられる一方で、ウクライナ情勢が一層緊迫の度を高めている。さてこの次の進展は?穀物、石油、貴金属、穀物商社、金鉱株などにも動きが見えているらしい。

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ロシアとウクライナの全面戦争のリスクが、メディアで大きく報じられている。

当然の疑問、ロシアは攻撃するのか。プーチン大統領は何があろうと戦争をする気なのか。外交は平和を実現できるのか。だが、プーチン氏の心を読むのは不可能だ。

そこで別の質問をしよう。私たちはどのように戦争の開始を知るのか。

戦車が前進、ロケット砲を発射

ロシア軍の戦車部隊がウクライナの前線を越えたり、大量のロケット砲が発射されたり、ウクライナの軍事拠点に空爆が実施されたりすれば、今回の危機が劇的にエスカレートし、紛争の新たな局面に移ったことになる。最初の警告はウクライナ軍が発するだろうが、西側の人工衛星や情報収集に当たる航空機も、攻撃が迫っていることを察知するだろう。

アメリカの本部を置く海軍分析センターのロシア軍専門家マイケル・コフマン氏は、襲撃が近づけば恐らく明白な兆しが見られるだろうと話す。その一つが「編隊の要員配置」だと同氏は言う。これまで送り込まれたのは兵士より重機材が中心だったからだというのが理由だ。また、「部隊の分散、後方支援の流入、固定翼機と回転翼機の変化」も兆しになりうると話す。

動画説明,緊迫のウクライナ情勢 BBCのロズ・アトキンスが解説

戦争開始は、さらに別の方法でも知りうる。ただ、この方法で知るためには一歩引いて、ロシアのウクライナに対する一連の軍事行動の全体像を眺める必要がある。ロシアの手札に着目し、それがどのように使われているかを見定めるのだ。そしてこの観点に立てば、紛争が始まったのはどう分かるのかという問いには、もうすでに始まったと答えることになるだろう。実際、戦闘はもう何年かにわたって続いてきた。

軍事的圧力

現状確認。:ロシアはすでにウクライナ南部クリミアを支配している。そして、ウクライナ東部ドンバス地方で、反政府勢力に実用的な支援を提供している。

事実、2014年に親ロシアの反政府勢力が敗北しそうになった時、救ったのはロシアの武装部隊と戦車部隊の介入だった。以来、散発的に戦闘が続いている。すべての当事者が平和に向けた国際努力を支持しているとされるが、前進はほとんどみられていない。

武力行使の脅威

圧力のほか、圧倒的な軍事力を行使する脅威もある。ウクライナ国境付近でのロシア軍の結集ぶりは普通ではない。ウクライナと国境を接するベラルーシにも部隊を展開している。ウクライナの首都キーウ(キエフ)を攻撃する際の、より近い足場となる可能性がある。

Map shows where Russia's troops are positioned.
画像説明,ウクライナ(UKRAINE)国境付近にロシア部隊が配置されている。赤丸は恒久的に配置されている場所で、丸の大きさは規模(1000人、4000人、6000人など)を示す。黒い印は新たに部隊が配置された場所(規模は未確認)。ベラルーシ(BELARUS)国内のロシア部隊についてはおおよその場所を示している 出典:Rochan Consulting

この軍の増強についてロシアの報道官は、演習であり脅威ではないと説明している。だがその規模や、派遣されている部隊の性質、補給物資が徐々に届いていること、そのほかの「実現要因」から、単なる通常の大型演習ではないことがうかがえる。

アナリストらは民間の衛星写真を使って、軍増強の動きを追っている。携帯電話で撮影され、オンラインに投稿された多数の動画からは、大量の武器などがウクライナかベラルーシに送られていることがわかる。ソーシャルメディアへの投稿の分析と、部隊の活動状況を合わせると、何が起きているのかがかなり見えてくる。

ロシア政府が何と言おうと、ウクライナと西側の友好国が不安を覚えるのはもっともだ。(以下略:)

 

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