鼻涙管閉塞に対するNSチューブ治療の説明文(患者様向け)
鼻涙管閉塞とは、涙が目から鼻へと流れる通り道である鼻涙管が詰まり、涙が目に溜まったり、涙が頻繁に溢れる状態を指します。特に涙が溢れやすい方や、繰り返す感染症(涙嚢炎)が見られる方は、この状態が疑われます。このような症状に対して、鼻涙管の通りを確保する治療法として「NSチューブ」の設置があります。但しこの治療はどの眼科でも行うものではありませんので、清澤眼科では、その手技に習熟した眼科医に照会をさせて戴きます。
NSチューブとは何ですか?
NSチューブ(鼻涙管チューブ)は、細いシリコン製のチューブを鼻涙管に一時的に挿入し、涙の通り道を確保する治療法です。鼻涙管閉塞が確認された際に、涙の流れを改善するために使用されます。このチューブは柔らかく、人体に対して安全な素材で作られており、鼻涙管内に適切に設置することで涙の通過を助ける役割を果たします。
NSチューブ設置の適応
NSチューブは以下の場合に適応されます:
- 鼻涙管閉塞が確認された方。
- 涙嚢炎や頻繁な涙の溢れが日常生活に影響している方。
- 涙点通水検査で鼻涙管が完全に閉塞しているのではなく、部分的に通過可能な場合。
- 初期の治療(涙点洗浄や薬物療法)で十分な効果が得られなかった場合。
一方、完全に詰まっている場合や、骨の異常がある場合などでは、別の治療法が検討されることもあります。
処置の流れ
NSチューブの設置は通常外来で行える比較的簡単な処置です。以下のように進められます:
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局所麻酔
涙点と鼻涙管周囲に局所麻酔を施し、痛みを最小限に抑えます。 -
探針の挿入
鼻涙管の通り具合を確認しながら、細い探針で閉塞部位を慎重に通します。 -
チューブの挿入
NSチューブを涙点から挿入し、鼻涙管内に設置します。両端は目頭付近に固定され、外から少し見える場合もありますが、生活に大きな支障はありません。 -
終了後の確認
涙が正常に鼻へ流れるかどうかを確認します。
処置後のケア
処置後は軽い違和感を感じることがありますが、通常は数日で慣れることが多いです。また、以下の点に注意してください:
- 涙の流れが改善しているかどうかを日常生活で観察してください。
- 処置後に軽い炎症が起こる場合がありますが、点眼薬や内服薬でコントロールできます。
- チューブは通常3~6か月ほど挿入したままにし、その後取り除きます。
注意事項
- チューブが目に見える状態でも、過剰に触ったり引っ張ったりしないようにしてください。
- 異常な痛み、腫れ、発熱がある場合はすぐにご連絡ください。
- チューブの効果が不十分である場合や閉塞が再発した場合は、さらなる治療(涙嚢鼻腔吻合術など)が必要になることもあります。
最後に
NSチューブは、鼻涙管閉塞による涙の溢れや感染症を効果的に改善する治療法です。処置自体は比較的短時間で終わり、多くの患者さんが満足のいく結果を得ています。治療に関する不安や疑問がありましたら、遠慮なく医師にご相談ください。
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