前回の眼瞼痙攣友の会で運営側に提出された質問に対し、友の会顧問医清澤の見解をお知らせします。長くなりますので、今回はまず前編の10問についてです。
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その他:医師の勧めで優肌絆(絆創膏)とムコスタを併用中。優肌絆を常に使用していると瞼の開瞼する力が衰えてしまうのではと心配。使いすぎはよくないのか? 清澤の見解:おそらく絆創膏で瞼を吊り上げても、上眼瞼挙筋機能の低下は起きないと思います。眼瞼皮膚弛緩があって、上の視界が狭い場合は、美容形成的な皮膚切除を依頼することも考えられます。
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その他:HD眼鏡について。購入は、東海光学?先生に相談となるのか? 清澤の見解:常用には、FL-41タイプのオーバーグラス(ドイツ製エッシェンバッハ製、度なし)を推奨します。若倉先生は、羞明が強い眼球使用困難症に対してHD(ハイデンシティー遮光眼鏡、1%のみ透光の東海光学製レンズ入り)を推奨しています。HDなら眼科医の処方箋を持って東海光学のレンズを扱う眼鏡店で購入することになります。
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薬:瞬きがつらい時のお勧めの目薬が知りたいです。 清澤の見解:ドライアイに対するものとして、レバミピド2%(ユニットドーズならムコスタ)、レバミピド点眼液、ヒアレイン0.1%などが考えられます。
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ボトックス:ボトックス注射の位置について教えてください。6か所のうち眉毛の上に2か所行っていますが、若倉先生は瞼の上だけだった気がします。 清澤の見解:眼周囲は左右6か所で、上眼瞼挙筋に影響する中央部分には打ちません。眉間などでは、私は趨眉筋の2か所と眉山あたりの2か所に注射しますが、これが絶対の基準ではありません。患者の希望を聞いて改変もしています。
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その他:2011年に発症。2年前からボトックスをすると眼痛が強く、1年前からやっておらず、眼痛がつらい日々。痛みにいい方法があれば知りたいです。 清澤の見解:注射時の疼痛の場合、注射前の冷却やエムラ鎮痛クリームを注射の1時間前に塗る方法があります。注射後に疼痛が生じる場合、リリカや抗癲癇剤など内服薬を試すことが考えられます。
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その他:昨年全身麻酔で外科手術を実施。心配していたとおり目の開きの状態が悪化しました。脳の病ですので関連があるのでしょうか? 清澤の見解:麻酔の直接の影響よりもジストニアの経時的進行を疑います。
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障害年金:障害年金について何か進展がございましたらお知らせいただきたいです。 清澤の見解:一時期、障害者年金審査の担当医師が「進行していない」という理由で「障害年金」を「障害一時金」に格下げすることが続きました。現在は厚生省からそのような扱いをしない様な指示が出され、再審査が行われるようになったとの新聞記事があります。阿部さんなどのこの事情に詳しい社会保険労務士にご相談ください。最初に提出する申請書の内容が緩いと、再提出は受理されにくいので、最初から専門の社労士に医師がサインする下書きを作成してもらうことをお勧めします。その際に社労士から求められれば、医院として資料にカルテのコピーをお渡ししています。
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その他:ドライアイ治療(マイホーム腺ケア+目薬)でドライアイが改善され、眼瞼痙攣の症状も楽になった気がします。関連性はありますか? 清澤の見解:もちろん関係があります。ドライアイが強い場合、さらに液体涙点プラグ注入やシリコン製の固体涙点プラグ挿入も考慮します。
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ボトックス:ボトックスが効いて以前は上まぶたが開きましたが、今は下まぶたの方に開きます。打ち方の問題でしょうか?上まぶたが効きにくいのでしょうか? 清澤の見解:下まぶたには強い眼瞼下制筋はないとされますが、柿崎教授の研究では上眼瞼挙筋に対応する筋も存在します。上瞼が挙がらない場合は、手術で補うなど、視界を改善する美容外科的な処置を検討できます。
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ボトックス:ボトックスを注射後、左目が細く右目が開き過ぎて辛い。どうしてこうなるのでしょうか?2回目です。 清澤の見解:左右差を調整するために医師が注射量を変えることがありますが、全員に説明しているとは限りません。施注医に聞いてみましょう。
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