糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜疾患

[No.3274] カナダにおける遺伝性ジストロフィー患者のための眼科医主導の診断への合理化された経路:

カナダにおける遺伝性ジストロフィー患者のための眼科医主導の診断への合理化された経路と遺伝学的検査へのアクセス

清澤のコメント:この様な論文が出ています。日本ではこの夕奈検査への流れにたどり着く道を探すのは更に大変です。

要点:

遺伝性網膜疾患(IRD)は、カナダで0.056%から0.228%の人々が患う進行性の病気です。この疾患は生活の質に大きな影響を与え、2019年には推定で164000万カナダドルから669000万カナダドルの総コストがかかりました。現在、300以上の原因遺伝子が特定されており、初の遺伝子治療薬も承認されています。

IRDの治療の進展により、遺伝子検査が重要視されています。患者が新しい治療法や臨床試験にアクセスするためには、分子診断が不可欠です。従来の診断モデルでは、遺伝学者が検査結果を解釈し、眼科医が診断を行っていました。しかし、この方法は診断に時間がかかり、専門知識を持つ医療提供者が限られているため、問題がありました。

新しいモデルでは、遺伝学者を介さず、眼科医が直接診断と遺伝子検査を行います。これにより、患者の診断までの時間が短縮され、治療へのアクセスが向上します。このモデルは、眼科医が患者の病歴を確認し、診察を行い、必要な検査を実施し、その結果を基に分子診断を行います。

この新しいアプローチは、患者のアクセシビリティを改善し、遺伝子治療試験への参加を促進します。具体的には、従来のモデルでは診断までに最大24か月かかることがありましたが、新しいモデルでは58か月に短縮されます。これにより、患者は迅速に適切な治療を受けることができ、生活の質が向上すると期待されています。

まとめると、遺伝性網膜疾患の診断と治療において、新しい臨床モデルが大きな役割を果たすことが示されています。このモデルにより、患者は迅速に診断を受け、遺伝子治療へのアクセスが容易になります。今後もこの分野の研究が進展し、さらに多くの患者が恩恵を受けることが期待されます。

Ophthalmology retina: Volume 9, Issue 2,p180-186February 2025

Streamlined Ophthalmologist-Led Pathway to Diagnosis and Accessibility of Genetics Testing for Patients with Inherited Retinal Dystrophies in Canada Grace S. Yin, MD, MPhil1,2 

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