清澤のコメント:日本医師会の健康ぷらざというパンフレットがマダニが媒介する感染症(屋外活動では肌の露出を避け虫よけを)という記事を取り上げています。そこで、マダニが媒介する感染症とその眼科に関連する症状を説明してみます。
野外活動時のマダニ対策と感染症のリスクについて
最近、キャンプやハイキングなどの野外活動を楽しむ方が増えています。しかし、自然の中には目に見えない危険も潜んでいます。その一つが マダニ です。マダニは吸血する際にさまざまな病原体を媒介し、場合によっては重篤な感染症を引き起こすことがあります。今回は、マダニが媒介する感染症とその症状、特に 眼への影響 について解説します。
1. マダニが媒介する主な感染症と症状
① 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
ウイルス性感染症であり、発症すると致命的なケースもある。
主な症状:
- 発熱、倦怠感
- 消化器症状(嘔吐、下痢、食欲不振)
- 出血症状(皮下出血、鼻血)
- 意識障害、けいれん
眼症状: まれに 結膜充血 や出血が報告されているが、重症例では意識障害に伴う視覚障害の可能性もある。
② 日本紅斑熱
リケッチアという細菌が原因で起こる。
主な症状:
- 突然の発熱
- 皮膚に赤い斑点(紅斑)が出現
- 倦怠感、筋肉痛
- 頭痛
眼症状: 結膜充血 が見られることがある。
③ ライム病
ボレリア菌による細菌感染症。欧米で多いが、日本でも発症報告がある。
主な症状:
- 噛まれた部位の 遊走性紅斑(赤みが広がる)
- 発熱、頭痛
- 関節痛、神経症状(麻痺、しびれ)
眼症状: 結膜炎、ぶどう膜炎、視神経炎 などが報告されている。
④ ダニ媒介脳炎(海外でのリスクが高い)
ウイルスによる脳炎で、ヨーロッパやロシアなどで多い。
主な症状:
- インフルエンザ様症状(発熱、頭痛、関節痛)
- 進行すると脳炎(けいれん、意識障害)
眼症状: 視力低下や視野異常 が見られることがある(脳炎の影響)。
2. マダニによる感染を防ぐには?
野外活動をする際に マダニに咬まれないことが最も重要 です。以下の予防策を実践しましょう。
✅ 肌を露出しない服装(長袖・長ズボン、首元を守る)
✅ 虫除けスプレーを活用(ディートやイカリジン配合のもの)
✅ 帰宅後すぐに全身チェック(特に頭髪、脇、股関節周囲)
✅ 噛まれても無理に引き抜かない(医療機関で除去してもらう)
3. 眼科的観点からの注意点
マダニが媒介する感染症では、結膜充血や視神経炎、ぶどう膜炎 などの眼症状が現れることがあります。特に 発熱や倦怠感がある中で、目の異常を感じた場合は、速やかに医療機関を受診 しましょう。
まとめ
マダニによる感染症は、日本国内でも発生しています。野外活動を楽しむ際は 適切な対策 を行い、咬まれた場合は 早めに医療機関で相談 しましょう。特に 目に異常を感じた場合は眼科受診も検討 してください。自然を安全に楽しむために、ぜひマダニ対策を意識してみてください!
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