神経眼科

[No.3462] 一般講演「神経眼科1:炎症・脱髄」の各演題のまとめです

日本眼科学会2025の一般講演「神経眼科1:炎症・脱髄」

 清澤のコメント:日本眼科学会2025の一般講演「神経眼科1:炎症・脱髄」の各演題のまとめ。当然視神経炎の演題が多いが抗AQP4抗体とMOG抗体に関連した演題が多い。全体にステロイドに加えて生物学的製剤を使われるようになって視力予後が良くなった印象がある。しかし、その概念の場合には開業医外来レベルでの対応は困難なので、それというときには神経眼科を扱う基幹的病院への紹介が必要だという事であろう。が

O1‒140

筆頭演者:須賀亮太
所属:日本医科大学多摩永山病院
演題:視神経炎の臨床的特徴と治療内容
2018
2024年に視神経炎と診断された18例の検討。抗AQP4抗体陽性が28%、抗MOG抗体陽性が11%。女性に多く、ステロイド治療が多用された。抗AQP4陽性例では生物学的製剤も使用され、多様な治療法が選択された。

O1‒141

筆頭演者:髙井康行
所属:井上眼科病院
演題Aquaporin-4抗体陽性視神経炎の視力予後の推移
2004
2024年のAQP4-ON 39例を前期・後期で比較。後期はPP導入が増加し、視力予後が改善。診断技術と治療指針の進歩により、急性期治療の質が向上していることが示された。

O1‒142

筆頭演者:安里輝
所属:北里大学
演題MOG抗体陽性視神経炎の臨床的特徴
2021
2024年にMOG-ONと診断された2023眼を解析。視神経炎の42%を占め、乳頭炎や眼球運動時痛が高頻度。治療後多くの症例で視力1.0まで改善。無症状眼でもGCC菲薄化が見られた。

O1‒143

筆頭演者:近藤拓馬
所属:北里大学
演題:圧迫性視神経症の臨床的特徴
2014
2024年の圧迫性視神経症183例を解析。原因として下垂体腫瘍、髄膜腫が多く、甲状腺視神経症は良好な視力予後を示した。鼻性視神経症は最も予後不良であった。手術により視野改善も多数。

O1‒144

筆頭演者:宮尾賢治
所属:防衛医科大学校
演題:中枢神経系炎症性脱髄疾患における視力予後
MS
NMOSDMOGADの計25例を対象に視力変化を後方視的に解析。NMOSDは他群と比較して視力予後が有意に悪く、治療反応性の低さが示唆された。群間の年齢差や性差も明確であった。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。