ダロワイヨ自由が丘店 ― 駅前で楽しむ老舗フランス菓子のサロン・ド・テ
自由が丘駅正面口の広場を出ると、目の前にはいくつかのカフェが並んでいます。エクセルシオール、ウェンディーズ・ファーストキッチン、そして老舗フランス菓子店「ダロワイヨ自由が丘店」。最近では話題の「アイムドーナツ?」が隣にオープンし、さらにその2階には「ダコー」という喫茶店も加わるなど、この一角はまさにカフェ激戦区といえるでしょう。
私自身、これまでダロワイヨはテイクアウト専門のケーキ屋さんだと思い込んでいました。しかし、先日通りがかった際に路面の案内板に「2階30席」と書かれているのを見つけ、サロン・ド・テが併設されていることを知りました。そして本日、実際にランチを試してみました。
パリ本店 ― フォーブル・サントノレ通りの老舗
ダロワイヨ(Dalloyau)の歴史は17世紀、ルイ14世の宮廷に仕えた料理人ダロワイヨ家にさかのぼります。創業は1682年。フランス革命後には一般市民にも門戸を開き、以来「宮廷の味」をパリ市民が楽しめる存在となりました。
現在の本店は、パリ8区のフォーブル・サントノレ通り101番地にあります。この通りはシャンゼリゼと並ぶ高級ブランド街で、大使館や一流メゾンが集まるエリア。観光ガイドでは「オペラ座やルーヴル美術館の西に広がる高級街」と説明されることが多く、まさに美食とファッションの中心地です。
ダロワイヨの日本進出 ― 三越・不二家との関わり
日本にダロワイヨが登場したのは1982年。東京・日本橋三越本店にフランス国外初の店舗を構えたのが始まりでした。当時はデパートを中心に展開され、フランス菓子ブームの立役者ともなりました。
その後の1980年代後半から1990年代にかけては、三越や不二家が資本面で関わり、日本市場での展開を支えました。1990年代には「株式会社ダロワイヨジャポン」が設立され、日本法人としての経営が本格化。不二家は長く株主として関与し、現在でも銀座三越や日本橋三越に店舗があります。
2010年代には全国で約20店舗を展開。なかでも自由が丘店は、ブティックとサロン・ド・テを併設する旗艦的存在となり、ブランドの世界観を存分に味わえる拠点となっています。
ダロワイヨというブランドと代表菓子
ダロワイヨの代表作といえば、1955年に考案された「オペラ」。コーヒークリームとチョコレートガナッシュを幾層にも重ねた長方形のケーキは、フランス菓子の古典として知られています。また、色とりどりのマカロンも人気で、自由が丘店でも華やかに並び、訪れる人を楽しませてくれます。
日本法人「ダロワイヨジャポン」では、フランス伝統の味を守りつつ、日本人好みに合わせた限定商品も展開してきました。
自由が丘店でのランチ体験
今回いただいたのは、チキンピラフ、サラダ、トースト、アイスコーヒーのセット。価格は2,600円と少々高めですが、上質な雰囲気を考えれば妥当といえるでしょう。店内はほぼ満席で、奥さま方のグループや高校生の来店も目立ちました。ケーキやマカロンと合わせれば、軽い食事から本格的なティータイムまで幅広く楽しめるのが魅力です。
まとめ
パリのフォーブル・サントノレ本店と同様に、自由が丘店も「日常に宮廷の味を取り入れる」ことをテーマにしています。1982年の日本進出以来、三越・不二家の支援を経て現在も国内に20店舗以上を構えています。その中でも自由が丘店は、単なる菓子販売店ではなく、サロン・ド・テを備えた特別な拠点。
当院を訪れる際の気分転換として、あるいは診察や検査の合間のひとときに、上質な菓子とランチを楽しめるお店です。私自身も、また機会を見つけて訪れたいと思っています。
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