白内障

[No.4125] 白内障手術を他院で受けられた後の経過観察スケジュールと注意事項:

白内障手術後の経過観察スケジュールと注意事項

1.来院スケジュール(標準例)

時期 主な診察内容 ご注意・目的
翌日(手術翌日) 傷口の確認、炎症・眼圧チェック、眼内レンズ位置確認 必ず受診してください。痛み・強いかすみ・充血があればすぐご連絡を。(手術した医院で診ることが多いでしょう)
1週間後 炎症の回復、眼圧変化、角膜の透明度確認 点眼の継続と減量計画を確認します。水仕事・洗顔再開の可否も説明します。(この引き継ぎの過程で脱落することが非常に危険です)
1か月後 視力の安定確認、黄斑浮腫の有無(必要に応じOCT) 新しい眼鏡処方を検討します。多くの方はこの頃に点眼終了です。(これで終わりではありません。)
3〜6か月後 長期経過確認、眼圧・視神経・網膜の検査 糖尿病や緑内障のある方は特に間隔を短くします。
以後:年1回程度 後発白内障や他疾患のチェック 視力低下を感じたら早めにご相談ください。

2.点眼薬の種類と使用期間

薬の種類 主な目的 使用期間(目安) 備考
抗菌薬点眼(例:ガチフロ®、クラビット®など) 感染予防 約1〜2週間 清潔操作を守って点眼
ステロイド点眼(例:フルメトロン®、リンデロン®など) 炎症抑制 約3〜4週間(漸減) 眼圧上昇に注意。1週・1か月時に測定
消炎鎮痛点眼(例:ブロナック®、ネバナック®など) 黄斑浮腫予防 約3〜4週間(リスク例で使用) 糖尿病やぶどう膜炎の既往がある方など

※薬の回数・期間は目の状態により変更します。自己判断で中止せず、診察時に必ずご相談ください。


3.術後の生活上の注意点

  • 洗顔・洗髪・入浴:1週間は顔を濡らさず、清拭で対応。1週間後に再開可否を確認します。

  • 目をこすらない・押さえない:創口が完全に閉じるまでは慎重に。

  • 運転・運動:視力が安定してから。再開時期は医師が判断します。

  • 保護眼鏡・眼帯:就寝時の無意識接触防止に1〜3日使用します。

  • 痛み・視力低下・強い充血・膿性分泌が出たら直ちにご連絡ください。

    → 特に術後数日以内は「感染性眼内炎」の早期発見が重要です。


4.長期経過で注意すること

  • 数か月〜数年後に後発白内障が起こることがあります。視力低下を感じたら受診してください。

    → 外来で「YAGレーザー治療」により短時間で改善できます。

  • 糖尿病・緑内障・加齢黄斑変性などの併存疾患がある方は、定期検査が必要です。

  • 定期受診を怠ると、視力低下や眼圧上昇を見逃すおそれがあります。


5.清澤院長コメント

白内障手術は、視力を取り戻す大切な治療ですが、「手術が終わったら完了」ではありません。

目の炎症や眼圧変化、後発白内障などは、ゆっくりと進むため、定期検査こそが良好な視力維持の鍵です。

特に60歳前後からは緑内障や黄斑疾患が出やすくなります。

「痛くない・見えている」ときこそ、年1回のチェックを欠かさずに続けましょう。

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