角膜疾患

[No.4350]

Q: 唐辛子成分(カプサイシン)によって角膜痛がのこった症例に対して、有効な鎮痛薬がありますか?リリカは?

結論から述べると、カプサイシン曝露後に残存する角膜痛(持続性角膜痛)に対して、一般的なNSAIDsや弱オピオイドは効果が乏しいことが多く、神経障害性疼痛としての治療が中心になります。その中でリリカ(プレガバリン)は有効候補の一つです。

以下、整理して説明します。

  1. 病態の整理:カプサイシン後に残る角膜痛とは何か

カプサイシンは TRPV1受容体 を強く刺激し、

  • 角膜知覚神経(C線維、線維)の過剰興奮
  • 末梢性感作中枢性感作
    を引き起こします。

その結果、

  • 角膜所見が軽微または正常
  • 点眼で改善しない
  • 風・光・瞬目で増悪
    といった neuropathic corneal pain(神経障害性角膜痛) の像を呈します。
  1. 有効性が期待できる鎮痛アプローチ

1)プレガバリン(リリカ)

有効候補:(臨床的に最も使われる)

  • 機序:
    Ca²
    ⁺チャネル(α2δサブユニット)阻害異常興奮の抑制
  • 位置づけ:
    末梢+中枢性感作の双方に作用
  • 眼科領域での位置づけ:
    角膜神経痛、術後持続性眼痛、ドライアイ関連神経痛で使用報告あり

実臨床での開始量(日本)

  • 通常:
    25
    50 mg/日(就寝前)から開始 (その他の残存痛の場合よりも少量)
  • 忍容性をみて
    50 mg ×2
    100 mg/日)→ 150 mg/日程度まで慎重に増量

添付文書上の「神経障害性疼痛」の開始量よりかなり低用量で始めるのが眼痛では現実的
ふらつき・眠気・浮腫に注意(特に高齢者)

2)ガバペンチン

有効候補:

  • プレガバリンと同系統
  • 文献上は角膜神経痛での使用報告あり
  • 日本では用量調整がやや煩雑

3SNRITCA(併用または代替)

条件付きで有効

  • デュロキセチン
  • アミトリプチリン(少量)

中枢性感作が疑われる症例で検討
眼科単独導入にはややハードルが高い

4)点眼・局所治療(補助的)

単独では不十分だが併用価値あり

  • 自家血清点眼
  • 神経栄養を意識したヒアルロン酸
  • ソフトコンタクト・スキンケア的遮蔽
  • 抗炎症点眼(ステロイド短期)

表面炎症を抑えても「痛みだけが残る」場合は中枢寄り

  1. 無効または注意すべき薬剤
  • NSAIDs(内服・点眼):
    ほぼ無効
  • オピオイド:
    依存・耐性の問題、推奨されない
  • カプサイシン再投与:
    角膜では禁忌に近い
  1. 実践的まとめ(臨床判断の軸)
  • カプサイシン後に
    • 所見が乏しい
    • 点眼無効
    • 痛みが持続
      神経障害性角膜痛として扱う
  • リリカは妥当な第一選択
  • 低用量・慎重導入が必須
  • 「治す」より「鎮める・悪化させない」治療目標設定が重要

 清澤のコメント:いかがでしょうか、自分が持っている知識を基にAIの答えを求めてみましたが、ほぼ期待した答えが与えられました。

末梢および中枢の痛み感作のメカニズム ― 眼の痛みは「目」だけの問題ではない ―

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事

  1. ボールによる眼球打撲の診察 受傷直後の例

  2. 比較が生む2つの有害感情:「Envy up, Scorn down(上への嫉妬、下への軽蔑)」

  3. 末梢および中枢の痛み感作のメカニズム ― 眼の痛みは「目」だけの問題ではない ―