4~5歳のお子さんの麦粒腫(ものもらい)― 切開が必要になる場合と注意点について
4~5歳のお子さんにみられる麦粒腫(いわゆる「ものもらい」)は、まぶたの縁にある脂の分泌腺やまつ毛の毛根に細菌が感染して起こる急性炎症です。まぶたが赤く腫れ、押すと痛みがあり、時に白い膿が見えることがあります。多くは数日から1週間ほどで自然に軽快し、温かいタオルで温める温罨法や抗菌点眼で改善しますので、すぐに切開が必要になるケースはそれほど多くありません。
切開して膿を出す処置が必要になるのは、膿が明らかにたまっていて自然に排出されそうにない場合、痛みや腫れが強く数日間の保存治療で改善しない場合、腫れが大きくまぶたが下がって視界を遮っている場合、あるいは発熱や強い腫脹を伴い重症化が疑われる場合です。幼児期は視機能が発達途中にあるため、まぶたの腫れが長期間視界を覆う状態はできるだけ避けたいという点も判断材料になります。
処置そのものは大がかりな手術ではなく、局所麻酔を行い小さく切開して膿を出す短時間の処置です。通常は縫合の必要はなく、処置後は抗菌点眼を数日使用します。ただし4~5歳では恐怖心から体を動かしてしまうことがあり、安全に行えるかどうかが最も重要なポイントです。保護者の方に体を支えていただくこともありますし、必要に応じて笑気麻酔などを併用する場合もあります。まれに強い抵抗が予想される場合には、設備の整った施設での対応を検討することもあります。
処置後は軽い出血や腫れが一時的にみられることがありますが、多くは速やかに軽快します。まぶたを強くこすらないこと、処方された点眼をきちんと続けることが大切です。また再発予防には手洗いの徹底やまぶたを清潔に保つ習慣が重要です。
なお、痛みが少なく硬いしこりが長く残る場合は、感染ではなく脂の腺の詰まりによる霰粒腫という別の病態の可能性があり、治療方針が異なります。麦粒腫は決して珍しい病気ではなく、多くは自然に治る良性の感染症です。しかし、強い痛みや腫れが続く場合には無理に様子を見続けるよりも、適切な時期に処置を行うことで早く楽になることをご理解いただければと思います。



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