眼瞼痙攣

[No.581] 眼瞼けいれんで違和感=答える人・清澤源弘院長;毎日新聞自著記事紹介

眼瞼けいれんで違和感=答える人・清澤源弘院長(自由が丘清澤眼科・神経眼科)

 8年前に眼瞼(がんけん)けいれんと診断され、ボトックス注射を3カ月に1回受けていますが、まぶたの違和感がひどいです。(東京都、83歳、男性)

回答: 眼瞼けいれんは、まぶたの筋肉が異常に収縮するため、目を自由に開けにくくなったり、自分の意思と関係なく瞬きが増えたりします。初期は「目がまぶしい」「目がショボショボする」と訴えることが多いです。

 進行はゆっくりですが、目が開けられなくなると、歩行中に人や電柱にぶつかるなどしてけがをする恐れがあります。国内では30万人以上の患者がいると推計されています。中高年に多く、患者の7割が女性ともいわれています。

 根本的に治すことは難しいのですが、症状を改善する治療法はあります。筋肉の緊張を和らげるボトックス注射を数カ月ごとに受けることが多いです。効果には個人差があり、1回で症状が緩和される人もいる一方で、定期的な投与が必要な人もいます。神経眼科の専門医と相談しながら、治療を続けて下さい。
 なお、まぶたに違和感が強くあるということで、ドライアイを合併している可能性があります。目が涙を流すことを手伝う働きをする点眼薬などを主治医に出してもらってはいかがでしょうか。また、眼を温めて血流を良くすることも症状改善にはお勧めです。目に蒸しタオルを3分ほど乗せ、その後に目に染みない石けんを指先になじませ、まつげの際をそっと洗います。朝夕2回行い、目を清潔にすると、涙の量が増えて目の乾きが緩和されることがあります。【聞き手・山縣章子】

ーーー追記 昨年7月の同シリーズでの記事ですーーーー

【相談】

 まぶたがピクピクします。治まっても何度か繰り返し、時々、口の横がムズムズする感覚もあります。(大阪府、女性、72歳)

 

【回答】

 まぶたがピクピクと動く原因はいくつか考えられます。まず、症状が出ているのが片目か両目かによって区別されます。片目で一時的な症状なら、「眼瞼ミオキミア」の可能性があります。疲労や飲酒、スマートフォンの見過ぎなどが要因で、治療をしなくても1~2週間ほどで治まります。

 また、顔を動かす神経に脳の動脈が触れることで顔の筋肉が収縮する「片側顔面けいれん」の場合もあります。加齢に伴い動脈硬化が進むと発症しやすくなり、目の周囲だけでなく顔の片側に徐々に広がります。磁気共鳴画像化装置(MRI)で該当部分を撮影して診断します。治療は、ボトックス注射で顔の筋肉が過剰に動かないようにする方法が主流です。症状に応じて3カ月~半年ごとに注射を続けます。血管と神経が触れ合わないようにする手術もあります。

 両目に症状があるケースは「眼瞼けいれん」が疑われます。目を開けているのがつらく感じる状態で、50代以上の女性に多く見られます。悪化すると目が開けられなくなり、日常生活にも支障が出ます。治療はやはりボトックス注射が中心です。ドライアイが原因になっている場合、目の表面の潤いを保つ目薬などによって症状が緩和することもあります。

 受診先は日本神経眼科学会のウェブサイトで相談医を探すか、かかりつけの眼科で専門性のある医師を紹介してもらうとよいでしょう。

 

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