清澤のコメント:高齢者における視覚障害と認知転帰との関連:系統的レビューとメタアナリシス:を紹介しますオンライン公開されたばかりですから、これから日本でも大いに話題にされることでしょう。ベースラインで視覚障害(VI:visual impairment)のない高齢者と比較して、ベースラインVIのある人は、偶発的な認知障害(RR = 1.41)および認知症(RR = 1.44)の相対リスク(RR)が高かったという事です。対象論文の著者名wみるとアジア人が多いようですが。
Gui-Ying Cao ほか 2020年12月5日受理、2022年3月4日受理、オンライン公開:2022年5月18日 https://doi.org/10.1080/13607863.2022.2077303
アブストラクト:
目的:高齢者の視覚障害(VI)と認知転帰との関係に関する研究の定量的統合を提供すること。
方法:2020年4月より前に公開された元の記事の関連データベースの体系的な検索が行われました。ランダム効果モデルを使用して、VI(視覚障害)と認知結果(認知障害および認知症)との関連のプールされた推定値を取得し、VI測定値のサブグループ分析、横断的関連性を取得しました。認知障害を伴うVIの評価、およびベースラインVIと偶発的な認知障害および認知症との長期的な関連。不均一性の潜在的な原因は、メタ回帰によって調査されました。出版バイアスはEggerのテストで評価されました。
結果:76,373人の参加者を含む16の研究がこのメタアナリシスに含まれ、5つの横断的研究と11の縦断的研究が含まれていました。主観的測定(オッズ比(OR)= 1.63; 95%信頼区間(CI):1.26–1.99)および客観的測定(OR = 1.59; 95%CI:1.40– 1.78)によって識別されるVIで、認知結果のリスクが大幅に増加しました。ベースラインの認知障害のオッズは、ベースラインでVIのない高齢者と比較してVIのある高齢者で137%高かった(OR = 2.37、95%CI:1.84–3.03)。ベースラインでVIのない高齢者と比較して、ベースラインVIのある人は、偶発的な認知障害(RR = 1.41; 95%CI:1.31–1.51)および認知症(RR = 1.44、95%CI:1.19 –1.75)の相対リスク(RR)が高かった。
結論
VIは、横断的研究および縦断的研究全体で、認知障害および認知症のリスクの増加と関連していた。認知障害や認知症を回避するために、眼鏡の着用や白内障手術などのVIの治療の意味を調べるために、追加の研究と無作為化臨床試験が必要です。
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