最近のナゾロジー(https://nazology.net/archives/115725)の記事が虹彩異色症を説明していました。その記事は大石航樹さんと海沼 賢さんの著作です。同記事は、左右で目の色が違う「オッドアイ」が生じる原因や、目の色が何によって決まり、どのように変化するのかを紹介しています。スタンフォード大学(Stanford University)の眼科医チームによれば、欧米の赤ちゃんは「目の色」がよく変わります。2019年に、カリフォルニア州の小児病院で生まれた148人の赤ちゃんを対象に、目の色の追跡調査をしました。(Acta Ophthalmologica, 2019)。その結果、最も多い目の色が茶色で全体の77人、次が青色で40人でした。ところが2年後、青い目を持つ40人の赤ちゃんのうち、11人が茶色に、3人はヘーゼル(淡褐色)に、2人は緑色の目に変わっていたのです。また、77人の茶色の目を持つ赤ちゃんでは、ほぼ全員の73人が2歳になっても、そのまま茶色の目を保っていました。つまり、青色の目の方が茶色の目よりも、生後の数年で変色する可能性が高かったのです。
目の色は「メラニンの量」で決まります:目の色が濃くなる理由は、成長につれて虹彩にメラニン色素が沈着するからです。目の色は虹彩に沈着する「メラニンの量」で決まり、その量が多いと、ヘーゼル(淡褐色)や濃いブラウンに変わります。反対に、メラニンが少ない虹彩では、光が虹彩の奥まで通り抜け、コラーゲンの繊維によって散乱されるため、青い色に見えます。オッドアイは先天的にも、後天的にも現れます。先天例では遺伝による左右の目のメラニン量の違いが、先天的なオッドアイを生む原因です。先天的なオッドアイは特に視力が悪いとか、見え方に異常があることはありません。
Wikipediaを見ますと、虹彩異色症のヒトについて以下のように説明しています。
虹彩異色症(こうさいいしょくしょう、heterochromia iridis)は、左右の眼で虹彩の色が異なる、もしくは、一方の瞳の虹彩の一部が変色する形質のこと。バイアイ(bi-eye、片青眼)やオッドアイ (odd-eyed) も虹彩異色を表す言葉として使われることがある。異色症(Heterochromia、ヘテロクロミア)だけでも虹彩の異常を指す場合がある。
ヒトの場合は、先天的な特徴として現れるほか、ワールデンブルグ症候群、まだら症・ぶち症等の遺伝子疾患、後天的にはホルネル症候群、虹彩毛様体炎、緑内障、または、虹彩萎縮や、放射線などによる虹彩の損傷等の要因によって現れる。また、先天性虹彩異色は白人に多いという傾向が指摘されている。また、虹彩異色毛様体炎等によっても、両方の虹彩の色が異なったりする。また、オッドアイは、感染症やケガ、強度の日焼けなどにより、後天的に現れることもあります。デヴィッド・ボウイは、幼少期のケンカが原因で、左目の瞳孔が拡張し、ブルーの右目と異なるヘーゼル色に見えるようになったということです。
注:私も2003年に、ある盲学校で難聴を伴う部分的な白児症であるWaardenburg症候群を調べてみました。Jpn J Ophthalmol. 2003 Jan-Feb;47(1):77-84.
doi: 10.1016/s0021-5155(02)00629-9.Clinical findings in Japanese patients with Waardenburg syndrome type 2 Ohno N, Kiyosawa M et al:, がその記録です。(上図はその論文の一部)
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