角膜鉄片異物:これは保護メガネをかけないでグラインダーで鉄を削るような作業をしたときに起こりやすいものです。5月7日(日曜日)は、当医院の日曜日の代診眼科医が診療してくれました。救急診療施設に相談したが、「角膜異物は眼科医でなければ見られないと断られたので、日曜日に診療している眼科を探してここに受診した」という事でした。江東区では2-3か月に一件は見かけましたが、私が自由が丘のこの医院に移ってからとしては初めてです。
角膜表面に鉄片が入った場合、痛みや違和感が出てきます。鉄片が刺さった場合は、放置しておくと刺さった箇所から錆が出て炎症がひどくなる事もあります。その為、自己判断で放置したり、無理に自分で取り除こうとしたりせずに刺さった時点ですぐに眼科を受診し、刺さった異物を除去してもらう必要があります。
角膜には砂粒や木片ほか様々な異物が飛入しますが、ここでは微細な鉄片異物を説明してみます。角膜表面の(非貫通性の)鉄片異物の一般的な治療法としては、点眼薬の麻酔をしてから、針やセッシで異物を除去し、感染予防の処置も行います。角膜に刺さっている異物は、眼科用の細隙灯顕微鏡下で丁寧に除去する必要があります。鉄片が刺さって、錆が発生している場合は、錆をドリルなどで削り取ります。除去後は感染を予防するために、抗菌作用のある点眼薬と傷を早く治すための点眼薬(ヒアルロン酸など)を処方します。
治療後は、2~3日後に必ず経過観察のために受診を指示します。また、2、3日しても痛みがひかない場合や、見えにくさが残ってしまっている場合は、処置を受けた眼科に早めに受診することをお勧めします。
山林や公園で下草を刈る丸鋸の草刈り機を使ったっ倍、回転する鋸が石を叩くと、鋸の刃の先が欠けて目に飛び込むことがあります。この場合鉄片は長径1ミリ程度と、表在性の異物よりも大きいことが多いです。この場合には大きな病院で硝子体手術を行って鉄の破片を眼内から取り除く必要があります。(それをしないと眼球鉄さび)それに先立って眼底検査で異物を探しますが、画像診断ではMRIの使用は禁忌です。使うならCtにしてください。鉄が時期の影響で動き、網膜など眼内の微妙な組織を痛めることがあるからです。
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