眼瞼痙攣

[No.2661] 下眼瞼下の皮膚が窪むことを何と呼びますか?その原因は?

Q: 中高年女性で下瞼下の皮膚が窪むことを何と呼びますか?その原因は?ボトックス注射の合併症でそのような事例報告が有りますか?

清澤のコメント:当医院でのボトックス施注での事象ではありませんが、ボトックス投与後に「両眼の下の隈が強まった」という事例の相談を受けました。1-2か月で回復したそうですが、今回も眼瞼痙攣が再発していますがボトックス投与は希望していません。今回は、他のあらゆる考えられる治療に加えて、ボトックスは眼瞼前部のみ各眼5か所の投与として、眼窩部(両眼下瞼の外3分の2付近で眼瞼縁から1.5cmあたり各1か所)は除いての投与を本人と相談しようかと考えています。(私はヒアルロン酸フィラーの講習を受けたことがありますが、それを使った治療を行ってはいません。必要なら眼形成専門医への紹介も考えるでしょう。)

   ――――――   

A: 下瞼下の皮膚が窪む状態は「ティアトラフ変形: “tear trough deformity”」または「下瞼の窪み:”lower eyelid hollowing.”」として知られています。この状態は、加齢によって引き起こされることが多く、脂肪やコラーゲンの減少によって皮膚が薄くなり、より窪んだように見えるようになります。他の原因としては、遺伝的要因、中顔面の体積減少、そして時には下瞼の脂肪パッドの下降が挙げられます。

「ティアトラフ変形」または「下瞼の窪み」は、ボトックス注射の副作用として報告されることがあります。しかし、これは稀なケースであり、ボトックス自体はむしろ主に動的なしわ(表情によって現れるしわ)を治療するために使用されます。

ボトックスは一般的に安全ですが、副作用として一時的なまぶたの下垂(眼瞼下垂)が起こることがあります ​ (Oxford Academic)​​ (All About Vision)​​ (Derm Collective)​。

ティアトラフ変形や下瞼の窪みの治療には、通常ヒアルロン酸フィラーが使用され、窪んだ部分にボリュームを追加して滑らかにします。ボトックスはこれらの治療には適していないため、フィラーの使用が推奨されます。

ボトックス注射は、下瞼の窪みを直接治療するためには一般的に使用されません。その代わりに、ヒアルロン酸フィラー(例:レストレインやジュビダーム)などの皮膚充填剤(filler フィラー)が使用され、ボリュームを追加し、窪みを滑らかにします。ボトックスは、むしろ目の周りの動的なしわ(例:目尻のしわ)を治療するのに効果的であり、窪みを埋めるためのものではありません​ (Cleveland Clinic)​​ (Cleveland Clinic)​​ (Mayo Clinic)​。

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