片側顔面痙攣と原発性顔面痙攣の違いと治療アプローチとは
片側顔面痙攣や原発性顔面痙攣は、瞬目の異常が日常生活において大きな影響を及ぼす可能性のある疾患です。それぞれの症状の特徴や診断、治療アプローチを詳しく見ていきましょう。
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片側顔面痙攣の特徴
片側顔面痙攣は、その名の通り、顔面左右の片側に限定して起こる痙攣が特徴的です。最も一般的な原因は、顔面神経への血管の圧迫であり、これが神経画像検査で確認されることが多いです。この神経への圧迫は、脳幹付近での血管の異常な接触により生じるケースが多く、慢性的に神経が刺激されることで痙攣が引き起こされます。
症状は主に目の周囲から始まり、進行すると顔の下半分まで広がることがあります。この疾患は一般的に片側に限られているため、明確な診断基準として捉えられることも多いです。
原発性眼瞼痙攣の特徴
一方、原発性眼瞼痙攣は、両目周囲の筋肉が不随意に収縮する病態で、多くの場合、痙攣の強さは左右対称的です。しかし、原発性眼瞼痙攣においても、痙攣の強さに左右差が見られるケースも少なくはありません。この左右非対称性は、治療計画に重要な影響を及ぼします。
原発性眼瞼痙攣の症状は、片側顔面痙攣のように明確な原因があるわけではなく、脳内の神経系の連結に不具合があって神経や筋肉の過剰な興奮が複合的に関与している頭頸部ジストニアの一つの形であると考えられています。そのため、診断や治療には専門的な判断が必要です。
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ボトックス治療の応用
両疾患ともに、症状の軽減を目的としてボトックス(ボツリヌス毒素)がよく使用されます。片側顔面痙攣では患側だけにボトックス投与をしますが、原発性顔面痙攣では、痙攣の左右差に対応するため、ボトックスを左右で異なる量で注射するアプローチが効果的です。これにより、患者個々の症状に合わせた柔軟な治療が可能となります。
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追加診断と神経血管圧迫の確認
片側顔面痙攣が疑われる場合には、希望に応じて顔面神経根部の画像診断を追加することが推奨されます。MRIなどの画像検査を通じて、血管が神経に圧迫を加えているかどうかを確認することで、根本的な原因を把握できます。この情報は、手術を含む更なる治療計画を立てる際にも役立ちます。
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