眼瞼痙攣で眼周囲に他院でボトックスを施注したことがあり、当院に複数回受診歴がある患者さんの家族から、眼瞼痙攣で「舌が動いて息苦しい時がある」との相談をいただきました。
眼科(神経眼科)の私からのお答え
眼瞼けいれん治療中の患者さんにみられる舌の違和感・呼吸しづらさについて
これまで眼瞼けいれんの治療をさせて戴いたことがありましたが、最近になって「舌のこわばり」「舌が突き出るような感じ」「息苦しい」といった新たな症状がみられているとのことを承りました。
これらの症状は、眼瞼けいれんと同じくジストニア(筋肉の動きの調節がうまくいかなくなる状態)の一種として、口部ジストニア(こうぶジストニア)が関係している可能性があります。また、顔面の下半分から首や喉まわりにかけてジストニアが広がってくる場合は、Meige(メージュ)症候群と呼ばれる状態であることもあります。
息苦しさについて
このような舌や喉の動きの異常があると、話しづらさや息苦しさ、食事のしにくさなどを伴うことがあります。症状によっては、精神的な不安や呼吸のしにくさが強まることもあります。
治療について
こうした症状に対しては、以下のような治療が行われることがあります。
- お薬による治療
・リボトリール(クロナゼパム)などの内服薬
・トリヘキシフェニジル(アーテン)など抗コリン薬
・バクロフェンなど筋緊張を緩和する薬 - 筋肉へのボツリヌス治療(ボトックス注射)
舌や咬筋、口周囲への注射も専門的に行われることがあります。 - 必要に応じた心療内科的、精神科的対応
不安症状が強い場合、心療内科や精神科のサポートも効果的なことがあります。
今後のご案内
これらの治療は当眼科では対応が難しいため、現在お係の神経内科でのご相談をお勧めいたします。重症の場合、否定形的である場合にはリボトリールなどの処方や診断には専門的な神経学の診察が必要です。
この動画では、綿棒を口に咥えさせています。
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