眼瞼痙攣

[No.3658] まばたきが止まらない?眼瞼けいれんの原因・診断・治療について:動画紹介

まばたきが止まらない?眼瞼けいれんの原因・診断・治療について:動画紹介

目のまわりがピクピクとけいれんし、まばたきが止まらない。そんな症状で困っている方はいませんか?それは「眼瞼けいれん(がんけんけいれん)」と呼ばれる病気かもしれません。

眼瞼けいれんとは?

blepharospasm(ブレファロスパズム)」=眼瞼けいれんは、文字通り「まぶたのけいれん」を意味します。原因ははっきりしていないものの、目の周りの筋肉(眼輪筋)が自分の意志とは関係なく、断続的に強く収縮してしまう状態です。

最初はまばたきの回数が増える程度ですが、徐々に目をギュッと閉じるような痙攣(けいれん)が繰り返されるようになります。明るい光やストレス、不安などが引き金になることもあります。

診断は除外診断で

眼瞼けいれんを診断する明確な検査法はなく、他の病気を除外することで診断されます。まずは脳に病変がないかMRIなどで調べたり、代謝異常・炎症性疾患の除外も行います。

また、ドライアイやぶどう膜炎など、眼表面の異常もけいれんの原因になりうるため、眼科での丁寧な診察が必要です。向精神薬の副作用として生じる場合もあるため、服薬歴の確認も欠かせません。

眼瞼けいれんのタイプ

臨床的には、以下の3タイプに分類されます:

  1. 典型型(クラシックタイプ)
     数秒間、目をぎゅっと閉じたあと、けいれんのない間隔がある。この繰り返しが特徴。
  2. アプラキシア型(apraxiaタイプ)
     まばたきの回数が多く、意識的に目を閉じた後、開けにくいタイプ。
  3. 混合型(ミックス型)
     典型型とアプラキシア型の両方の要素を持つ。

いずれの場合も、自分の意志でコントロールできず、日常生活に大きな支障をきたします。

実際の症例から

動画内では、両眼の眼輪筋にけいれんを生じている患者さんの様子が紹介されました。目を開けようとしてもけいれんで閉じてしまい、自力で開けていられない様子が見て取れました。時に眉間や額の筋肉(皺眉筋や鼻根筋)にもけいれんが波及します。

治療法は3本柱

眼瞼けいれんには大きく3つの治療法があります:

  1. 内服薬
     神経の過剰な興奮を抑える神経安定薬や抗けいれん薬を使用します。効果には個人差があり、副作用にも注意が必要です。
  2. ボツリヌス毒素注射(ボトックス)
     けいれんしている筋肉に直接注射することで、過活動を抑えます。顔全体に影響せず、ピンポイントで効果を出せるため第一選択とされます。効果は通常23ヶ月持続します。
  3. 手術療法
     注射で効果が不十分な場合には、眼輪筋の一部を切除するミオトミー(myectomyや、神経の分枝を切断する選択的神経切除術(neurectomy)が検討されます。

まとめ

眼瞼けいれんは命に関わる病気ではありませんが、視界を奪い、生活の質を大きく下げる疾患です。ドライアイや精神的なストレスが関連していることもあるため、早期に眼科や神経内科を受診することが大切です。

治療法は進歩しており、多くの患者さんが症状のコントロールを可能にしています。「まばたきが多い」「目を開けていられない」と感じたら、一度専門医にご相談ください。

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