白内障

[No.2898] 眼科医が患者さんに白内障手術をお勧めするタイミングについて:

白内障手術を勧めるタイミングについて

一般的に、眼科医が白内障手術を勧めるタイミングは、患者さんの矯正視力が0.6以下になった場合や、視力の低下が日常生活に支障をきたすようになった時点で検討されることが多いです。ただし、手術の適応は視力の低下だけに基づくものではなく、患者さんの症状やライフスタイル、さらに他の眼疾患のリスクも考慮して判断します。

早めに白内障手術を勧める理由として、以下の項目が考えられます。

  1. グレア(水晶体内での光の散乱に伴うまぶしさ) 夜間の車のヘッドライトや太陽光がまぶしく感じられる場合、たとえ矯正視力(最適な眼鏡で得られる視力)がまだ十分に保たれていても、手術を検討する価値があります。

  2. 左右の屈折差(不同視) 左右の目の屈折度に大きな差がある場合、メガネやコンタクトで補正しても視覚的不快感や違和感が生じることがあります。このような場合、片眼のみでも白内障手術を行うことで、視力のバランスを改善できる可能性があります。

  3. 前房が浅く隅角が狭い(狭隅角緑内障のリスク) 白内障が進行すると水晶体が肥大し、前房がさらに浅くなることで、急性緑内障発作のリスクが高まります。このため、緑内障の素因がある患者さんには、たとえ視力の低下が軽度であっても、早めに白内障手術を行うことが推奨される場合があります。

  4. 生活の質の低下 視力やグレアの問題が仕事、趣味、運転など日常生活に支障をきたす場合、たとえ視力がまだ許容範囲内であっても、手術を行うことで生活の質を向上させることが可能です。

これらのポイントを患者さんにわかりやすく説明し、適切なタイミングで手術を検討することが重要です。

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