【最新研究】うつ病・双極性障害の「遺伝的な関係」が解明へ前進
うつ病や双極性障害に悩む人は多くいますが、今の治療法では効果がない人も少なくありません。特に、最初に処方された薬が効かないケースはうつ病で3人に2人、双極性障害でも多くの人が十分な効果を得られないと報告されています。
そんな中、最近発表された2つの大規模な国際研究が注目されています。これらの研究は、数百万人のDNAデータを使って、うつ病と双極性障害に関わる遺伝的な変化(=遺伝子の特徴)を明らかにしました。
▼ポイント①:多数の遺伝子変異を新たに発見
-
うつ病では約700の遺伝的変異が確認され、そのうち半数は新たに見つかったもの。
-
双極性障害では、これまでの4倍以上となる300近い遺伝的関連が発見されました。
▼ポイント②:多様な人種からデータを収集
これまでの研究の多くはヨーロッパ系の人ばかりでしたが、今回はアジア人を含む多様な人種からデータを集め、特に東アジアでは独自の遺伝的特徴が見られました。
▼ポイント③:治療法のヒントに
今回の研究では、GABA(ガンマアミノ酪酸)という脳内物質に関わる遺伝子に注目が集まりました。このGABAの働きに関係する薬は、今後うつ病や双極性障害の新たな治療薬になる可能性があります。
▼ポイント④:こころの病は「遺伝と環境」の組み合わせ
研究者は、こころの病は遺伝だけではなく、ストレスや生活環境などとの複合要因で発症するとしています。良い睡眠・運動・食事・社会的支えは病気の予防にもつながるとしています。
▶なぜこの研究が重要なの?
この研究は、「うつ病や双極性障害は個人の弱さや失敗ではなく、脳の生物学的な問題でもある」という理解を広める手助けにもなります。これにより、偏見(スティグマ)が減り、助けを求めやすくなる社会づくりにもつながると期待されています。
将来は、一人ひとりの遺伝子に合わせたオーダーメイドの治療(個別化医療)が実現するかもしれません。ただし、その実用化にはまだ少し時間がかかりそうです。
ーーーーーー
2025年4月4日 画期的な研究は、うつ病や双極性障害との遺伝的関連を拡大します
ノラ・コリンズ JAMA。 2025年4月4日公開 doi:10.1001/jama.2025.2934
JAMAメディカルニュース
コメント