白内障

[No.3542] 日本国内におけるオルソケラトロジーの普及に関する現況を聞いてみました。

清澤のコメント:私の医院ではオルソケラトロジーにも取り組んでいますが、文中で述べられた10-15%よりははるかに低い印象です。日本国内におけるオルソケラトロジー(OKレンズ)の普及状況や市場動向について、以下の情報をまとめました。(フォーチュンビジネスインサイト)


オルソケラトロジーの普及率と使用状況

近年、日本では小児および青年期の近視進行抑制手段としてオルソケラトロジーの利用が増加しています。特に都市部の眼科クリニックを中心に、10〜15%の近視患者がOKレンズを使用していると推定されています 。(J-STAGE, Newscast)

この背景には、近視の低年齢化や進行の速さに対する保護者の関心の高まり、ならびにOKレンズの近視進行抑制効果に関する臨床エビデンスの蓄積が挙げられます。(自治医科大学 |)


メーカー別の市場シェアと主要企業

日本市場におけるオルソケラトロジーレンズの主要メーカーには、以下の企業が含まれます:(Dream News)

  • メニコン(Menicon Co., Ltd.):日本を代表するコンタクトレンズメーカーで、オルソケラトロジーレンズの開発・製造に注力しています。(フォーチュンビジネスインサイト)

  • クーパービジョン(The Cooper Companies Inc.):米国を拠点とする企業で、グローバルにオルソケラトロジーレンズを展開しています。

  • ボシュロム(Bausch & Lomb):カナダに本社を置く企業で、日本市場にも製品を供給しています。

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson Vision Care):米国の大手医療機器メーカーで、オルソケラトロジーレンズの分野にも参入しています。

これらの企業は、日本国内外での研究開発や製品供給を通じて、市場シェアを拡大しています 。(フォーチュンビジネスインサイト)


市場規模と成長予測

アジア太平洋地域におけるオルソケラトロジーレンズ市場は、2023年に約4億6,810万米ドルと評価されており、今後も高い成長が見込まれています。特に日本や中国では、近視の有病率の上昇とともに、OKレンズの需要が増加しています 。(フォーチュンビジネスインサイト)


近視進行抑制効果

オルソケラトロジーは、近視進行抑制効果があるとされており、2年間の使用で眼軸長の伸長を平均43%抑制するとの報告があります 。また、0.01%アトロピン点眼液との併用により、さらに効果が高まる可能性が示唆されています 。(自治医科大学 |)


まとめ

日本国内では、近視の進行を抑制する手段としてオルソケラトロジーの利用が拡大しており、特に小児や青年期の患者において10〜15%の普及率が報告されています。主要メーカーとしては、メニコン、クーパービジョン、ボシュロム、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどが市場を牽引しています。今後も、近視の有病率の上昇や保護者の関心の高まりにより、オルソケラトロジーの需要は増加すると予想されます。(Newscast, Dream News)

追記:オルソケラトロジー(Ortho-K)は、夜間に特殊なハードコンタクトレンズを装用し、角膜の形を一時的に変えることで日中は裸眼で過ごせるようにする視力矯正法です。1960年代にアメリカで初期の研究が始まりましたが、当時の技術では安定性に課題がありました。その後、レンズ設計と素材が進化し、1990年代以降、安全性と効果が確認され広く普及しました。日本では2000年代初頭から導入され、特に近視進行を抑える効果が注目され、小中学生を中心に使用が増えています。医療機関での適切な検査と管理が重要です。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。