視神経乳頭陥凹拡大、神経線維層欠損、緑内障性視野欠損のお関係は具体的にはどのくらいの頻度で現れるのだろうか?:
乳頭陥凹が60%を超える拡大を示す患者さんの内で何%程度が、神経線維層欠損を持っていますか?更に、その神経線維層欠損を持つ患者さんの何割が30-2のハンフリー視野検査で緑内障と確定されますか?その根拠になる文献は?
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視神経乳頭陥凹拡大(cup-to-disc ratio, C/D比)が60%(0.6)を超える患者における神経線維層欠損(RNFLD)および視野異常の出現率に関する具体的な統計データは、現在のところ明確な文献が見当たりません。
一般的に、C/D比が0.6を超える場合、緑内障のリスクが高まるとされています。しかし、C/D比の拡大が必ずしも神経線維層欠損や視野異常を伴うわけではありません。一方で、神経線維層欠損が確認された場合、視野異常が検出される可能性が高まります。ただし、視野異常の検出には個人差があり、初期の段階では視野検査で異常が認められないこともあります。
視野検査においては、Humphrey視野計の30-2プログラムが一般的に使用されます。この検査は中心30度の視野を評価するもので、緑内障による視野異常の検出に有用です。しかし、視野異常の検出率は病期や個人差によって異なるため、神経線維層欠損があるすべての患者で視野異常が検出されるわけではありません。
これらの情報は、以下の文献に基づいています:
- Weinreb RN, Aung T, Medeiros FA. The pathophysiology and treatment of glaucoma: a review. JAMA. 2014 May 14;311(18):1901-11.
- Jonas JB, Budde WM, Panda-Jonas S. Ophthalmoscopic evaluation of the optic nerve head. Surv Ophthalmol. 1999 Nov-Dec;43(3):293-320.
- Quigley HA, Dunkelberger GR, Green WR. Retinal ganglion cell atrophy correlated with automated perimetry in human eyes with glaucoma. Am J Ophthalmol. 1989 May 15;107(5):453-64.
これらの文献は、緑内障の診断および評価におけるC/D比、神経線維層欠損、視野検査の関連性について詳述しています。ただし、具体的な割合や統計データについては、さらなる研究が必要とされています。
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