白内障

[No.4455] 「見え方のつらさ」を脳の働きから調べる研究へのご協力のお願い:重要

「見え方のつらさ」を脳の働きから調べる研究へのご協力のお願い

このたび、「安静時脳糖代謝(18F-FDG PET)測定による中枢性視覚異常症の病態評価」という臨床研究が承認されました。

本研究は、眼の検査だけでは説明しきれない「見え方のつらさ」や「光に対する過敏さ」を、脳の働きという視点から客観的に調べることを目的としています。

どのような症状・病気が対象ですか

対象となるのは、次のような症状や診断をお持ちの方です。

  • Visual snow症候群

    視野全体に砂嵐や霧雨のような細かなちらつきが3か月以上続き、残像感、暗い所での見えにくさ、まぶしさ(羞明)などを伴う状態です。

  • シャルル・ボネ症候群

    視力低下や失明のあとに、実在しないものが見える幻視が出ますが、ご本人はそれが現実ではないと理解しています。

  • 片頭痛

    光や天候の変化などをきっかけに、頭痛だけでなく、強いまぶしさや光の違和感を伴うことがあります。

  • 眼瞼痙攣

    目の周りの筋肉が無意識に収縮し、目を開けにくくなる病気で、まぶしさなどの感覚過敏を伴うことが少なくありません。

これらはいずれも、脳(中枢神経系)の働きの変化が関与している可能性が指摘されていますが、詳しい仕組みはまだ十分に分かっておらず、診断や治療の手がかりが限られています。

この研究で何を調べるのですか

脳は活動する際にエネルギー(糖)を使います。本研究では、18F-FDG PET検査を用いて、安静時に脳のどの部分が「働きすぎているか」「働きが弱くなっているか」を調べます。

Visual snow症候群やシャルル・ボネ症候群では病気の背景にある脳の働きを、片頭痛や眼瞼痙攣では、とくにまぶしさ(羞明)が起こる仕組みを明らかにすることを目指します。将来的には、原因の説明が難しかった症状を「見える形」で説明し、診断や治療の選択に役立てることが目標です。

参加するとどのような検査を受けますか

検査は主に2つです。

  1. 18F-FDG PET検査

    点滴から検査薬を投与し、約40分安静にした後、10分ほど横になって撮影します。

  2. MRI検査

    脳の形に異常がないかを確認するため、約20分撮影します(同日または別日)。

検査結果は、研究目的で解析されますが、ご本人の同意があれば診療情報として主治医に返され、説明を受けることができます

参加人数と研究期間

研究期間は5年間で、最大約70名の参加を予定しています。病気ごとに人数を集めることで、それぞれの特徴を比較しやすくします。

参加による負担や安全性

PET検査による放射線被ばくは、おおよそ3mSv程度と推定され、日常診療で行われる検査と同程度です。ごくまれに点滴部位の痛みや、薬剤へのアレルギー反応が起こる可能性があります。MRIは体内金属がある方などは受けられません。

参加は完全に自由意思で、途中でやめることもでき、不利益はありません。

研究への参加をご希望の方へ

本研究は、東京都健康長寿医療センターで実施され、研究責任者は石井賢二先生です。

私(清澤)も研究協力者として参加しています。自由が丘清澤眼科を受診中の患者さんで、参加をご希望の方には、条件を確認したうえで同センターへ紹介し、正式な説明と同意手続きを受けていただけるよう連携します。

「原因が分からない」「説明されにくい」と感じてきた見え方の症状を、脳の働きという視点から理解する一歩になる研究です。ご関心のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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