白内障

[No.69] 近視遺伝子検査「近視遺伝子チェック」の紹介を受けました。

清澤のコメント:強度近視は、マイナス6.0Dよりも強い近視で、加齢とともに脈絡網膜萎縮により視力が失われることのある疾患です。(図は強度近視の眼底で、黄斑部の萎縮や出血が写っています。)これは強度近視に関連する遺伝子の検査を市民に提供するというビジネスのようです。個々の報告書ではどの遺伝子が現れていたかは報告されないそうです。「本検査は医療行為に該当するものではない。本検査により得られる情報は、医師による診断に置き換えられるものでも、補充するものでもない。」ということを理解して調べてみるならば、使用が可能なものであるかもしれません。興味のある方は医院にご相談ください。

――――提供されたパンフレットの抜粋――――

良心から受け継がれる遺伝は近視の原因の一つ。このキットでは近視に関わる様々な遺伝子を解析して、遺伝的に近視になる可能性の高さ(遺伝リスク)が教えてもらえるそうです。

サンプルの採取方法:キット内の綿棒で頬の内側をこすって検体を採取する。

判定結果:20歳の時点で近視ではない日本人の遺伝リスクと比較した5段階での判定結果をお知らせしますとのこと。(個々の遺伝子の解析結果は開示していないそうです。)

 

利用の流れ:

  • 遺伝子検査申込書 兼 同意書に必要事項を記入。
  • 自身(または保護者)が、綿棒で頬の内側を約1分ずつこすって、検体を採取。
  • 記入した書類と採取済み検体を横浜近視予防研究所株式会社宛に郵送
  • 遺伝子解析施設にて遺伝子の解析・遺伝リスクの判定
  • 約4週間後、結果の報告が自宅に到着する。

 

注意:

・本検査は医療行為に該当するものではない。

・本検査により得られる情報は、医師による診断に置き換えられるものでも、補充するものでもない。

・医師等の指導があるときは当該指導に従ってください。

・未成年の方が本検査を実施する場合は、保護者の方の同意が必要。(保護者の方の同意が確認できない場合は、検査を実施しない)

「近視遺伝子チェック」は消費者向け遺伝子検査です:とのこと

 

この検査の根拠とされる文献は以下の通り:

DOI: http://doi.org/10.1016/j.ophtha.2020.05.014

アジア人におけるゲノムワイド関連解析は、高近視の新しい遺伝子座を特定し、その病因における神経系の役割を強調している

目的:高度近視の新しい感受性遺伝子座を特定すること。

設計:ゲノムワイド関連解析(GWAS)とそれに続く複製およびメタアナリシス。

参加者:東アジアおよび東南アジアの集団からの合計14096のサンプル(高度近視の2549人の患者と11 547人の健康な対照)。

メソッド:3269人の日本人(高近視の1668人と1601人の対照参加者)でGWASを実施し、続いて日本、シンガポール、台湾からの合計10 827の追加サンプル(高近視の881人と9946人の対照参加者)で反復分析を行いました。高近視の病因における同定された遺伝子座の生物学的役割を確認するために、機能アノテーションと遺伝子オントロジー(GO)分析を実行しました。

主な成果対策:現在の研究で特定された遺伝子間で濃縮された高近視およびGO用語と一塩基多型の関連を評価しました。

結果:ゲノム全体で有意な9つの遺伝子座を特定しました(P <5.0× 10–8)。三つの座は、以前近視関連遺伝子座(報告されたZC3H11B 1q41に、GJD2 15q14上の、及びRASGRF1 15q25.1上の)、および他の6を新規(たHIVEP3 1p34.2に、NFASC / CNTN2 1q32.1に、CNTN4 / CNTN6 3p26.3の場合、3p14.1のFRMD4B、12q24.33のLINC02418、およびAKAP1315q25.3)。GO分析により、高近視の病因におけるシナプスシグナル伝達、ニューロン発達、およびRas / Rhoシグナル伝達に関連する神経系の重要な役割が明らかになった。

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