白内障

[No.107] 緑内障と視野――視野に魅せられた37年という松本長太先生の総説を読みました:

 

清澤のコメント:(第31回日本緑内障学会 須田記念講演)を基にした総説だそうです。視野異常を自覚しない理由の部分が両眼視と補填だけではなくて面白かったです。

はじめに:視野に機能的障害を伴う慢性進行性疾患。40歳以上の有病率5%。前視野緑内障から始まる。自動静的視野検査の感度は構造変化検出感度に劣る。

Ⅰ より精密に視野異常を検出する、

  • 測定点密度:10度以内では1.5度間隔以内での測定が望ましい。著者はmoの視標も工夫した。
  • 指標サイズ:一般に指標サイズⅢ(視角0.431°)が用いられる。網膜視神経レベルに障害がある疾患では、指標サイズが小さい方が異常検出が高まる。
  • 閾値変動と固視:感度の低い部位では変動が大きい。
  • 機能選択的視野:FDTなどM-系を主に評価するFDTなどもある。フリッカー視野を検討した。
  • 両眼開放視野:imoでは両眼開放で片眼の測定が可能。

Ⅱ より明確に視野異常を自覚させる、緑内障は8割が無自覚。

  • 視野異常を自覚しない理由
  1. 視野異常部位の見え方:限局的な視野障害が現れた段階では注意して意識しても物体が一部焼失する程度の感覚。
  2. 両眼視:日常生活では左右視野の重なりで補う。
  3. 眼球運動、眼位:周辺視野に視野異常を有しても其処を注視できる。
  4. 補填現象周辺部の視野欠損は中枢レベルで補填される。
  5. 視覚的注意、有効視野:固視店にタスクを課すと周辺視野感度は落ちる。
  6. 閾値と域上刺激:検査指標が50%の確率で見える明るさを閾値とする。検査自体が薄暗い環境(5asb)で測定。
  7. アンサンブル効果:周辺を含めた多くの情報を広い範囲でまとめて統計的なアンサンブルとして情報処理を行っているとする考え方。

2,視野異常を自己チェックするツール

  1. White noise field campimetry:緑内障ではランダムノイズの中央を片目で固視すると視野異常部でちらつかないことが自覚できる。
  2. Clock chart:人間が同時に認識可能な指標は4個まで。チャート感度オルホーングレー部返報捨次1(85%)、ステージ2(93%)、ステージ3以上(100%)2009年に3日間で6200万枚配布。広告を認知した二と1472万、使用した人758万、以上の自覚49万、病院を受診33万人。眼疾患診断7万、緑内障診断3万人であったという。
  3. クアトロチェッカー:ディスプレーに視標を同時に4つ示し、見えないものがあれば異常を検出する。

Ⅳ まとめ (緑内障Vol.31. No.1, 2021.7-19)

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