緑内障 早期検出へのアプローチ という2022年4月に行われた日本眼科学会と日東メディック共催のイブニングセミナーとまとめが届けられました。そのサマリーです。
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講演1:構造異常からのアプローチ:斎藤瞳、東京大学:緑内障早期検出のコツ:OCTなどの進歩により構造変化の方が視野よりも先に変化する。乳頭周囲網膜神経線維層(cpRNFL)よりも黄斑部のGCIPLの菲薄化が早い。上下の差が鋭敏で、temporal raphe(耳側境界線)に注目する。temporal raphe signはPPGガンで9割以上陽性。OCTAの可能性:初期緑内障眼の解析。緑内障ではRPC濃度は緑内障変化と相関する。緑内障以外の疾患との鑑別方法:多くはSSOH,大規模検診で0.2%。SSOHは①広範囲の線形線維層の菲薄化、②マリオット盲点につながるような下方視野欠損、③原則進行しない。④おおむね自覚症状がない。将来緑内障を合併することがある。
講演2:機能異常からのアプローチ野本裕貴、近畿大学 ■機能選択視野検査の原理と欠点:GPとSAPは根本的に測定法が異なる。FDT,フリッカー、SWAPなどを機能選択的視野検査と呼ぶ。SAPha早期から注記、進行期まで。機能選択的視野検査はPPGから早期まで、そしてGPは早期後半から進行期の末期までに使える。■SAP(自動静的視野検査)における緑内障早期検出の限界と問題点:RGCは黄斑部中心には多く存在し、15°を超え周辺に行くにしたがって減少する。■測定点配置などの改良:アイモを開発し、24-2ノ測定点をベースにし、異常が起こりやすい場所にHFA10-2 の一部を追加した。これらでSAPでは異常が検出できない症例において機能異常を検出できる可能性がある。
講演3:治療戦略に対するアプローチ:杉山和久 金沢大学:■PPGの病態と管理、71眼正常眼圧緑内障。6.8年で57.7%が進行。乳頭出血は侵攻軍に優位に多い。42.3%がNFLDの幅が拡大。20%以上のが夏加工が有効。■治療戦略に対するアプローチ:構造の変化が先行し、視野は遅れて進行する。FP受容体単剤点眼が第一選択。UKGTS(下記参照)は早期緑内障の第一選択はラタノプロスト単剤が有効とした。ウノプロストンの眼圧下降効果はラタノプロストより弱いが視野進行抑制は同等かもしれない。
UKGTS:https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)62111-5/fulltext
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