片頭痛

[No.27] 片頭痛の新薬が続々登場:痛み予防する効果を持った「モノクローナル抗体製剤」だそうです。

以前まとめた頭痛や眼痛に使える薬剤の記事にリンク⇒頭痛、眼痛に使える薬剤

清澤のコメント:今まではイミグラン辺りが最強だったのですが、今年に入って片頭痛治療の新薬が3種承認されいるそうです。下記記事をもう少し詳しく。
◎ CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)とは:非常に強力な血管拡張剤であり、部分的には結果として、心血管系と創傷治癒を含む生理学的および病理学的状態に重要な保護メカニズムを備えている。CGRPは主に感覚神経から放出されるため、痛みの経路に関係している。片頭痛を軽減するCGRPアンタゴニストの証明された能力は、薬剤開発の観点から最も興味深い。

①「エムガルティ」:は、月1回注射する、片頭痛の「予防薬」。発作回数を減らし、発作時の痛みも軽減する。ミグシス(ロメリジン)、インデラル(プロプラノロール)、デパケンR・セレニカR(バルプロ酸)、トピナ(トピラマート)、トリプタノール、呉茱萸湯などと同じ「予防薬」。従来の予防薬の「回数減少」「発作時の痛み軽減」を両方兼ね備る。毎日内服する薬と違い、1か月に1回の注射で済む。他の予防薬の効果が不十分な例で、片頭痛の日数が半減している。は6カ月間の使用で片頭痛の日数が減った人の割合は50%減が59%、75%減は33%、そして100%減が11%。薬理学的名称は「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤」。CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチドという物質)は頭の硬膜や三叉神経にあり、片頭痛発作時の血管拡張や炎症反応の直接の原因とされている。「モノクローナル抗体製剤」は化学合成薬と比べて高価。

②「アジョビ」も片頭痛の原因に関与しているとされるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)に結合することで、三叉神経系の活性化を抑制する。ライフスタイルに合わせた2つの投与方法(4週間ごとに1本あるいは12週間ごとに3本皮下注射)が選択できる。反復性片頭痛、慢性片頭痛ともに、片頭痛日数が初回投与1週目から減少します。

③「アイモビーグ」は、CGRPが血管表面の受容体と結合するのを妨げる。総称名アイモビーグ、一般名はエレヌマブ(遺伝子組換え)製剤名はエレヌマブ(遺伝子組換え)。薬効分類名:ヒト抗CGRP受容体モノクローナル抗体製。

ーーー記事抜粋ーーーー
頭の片側がズキズキ…片頭痛の新薬、続々と登場 痛み予防する効果 10/23(土) 15:10配信

片頭痛を抑える注射薬が、この春以降、相次いで登場しています。片頭痛の原因とされる物質の働きを妨げるもので、従来の治療がうまくいかなかった患者に対しても症状の改善が期待されています。(影本菜穂子)

女性が男性の4倍

片頭痛は月に1、2回以上、頭の片側がズキズキと痛む発作が起きる状態を指します。痛みは数時間から3日間続き、吐き気を伴う場合や、光や音に過敏になることもあります。仕事や学業への影響も少なくありません。国内では、片頭痛がある人は約840万人と推計されています。20~40歳代が目立ち、女性が男性の4倍に上ります。

片頭痛は、脳内の三叉(さんさ)神経から出る「CGRP」という物質が血管に取り込まれることで起こると考えられています。天気の変化やストレス、飲酒などの刺激でCGRPは過剰に放出され、血管が広がり炎症を引き起こすとされています。

片頭痛が起きた時の治療薬には、痛み止めの薬や、血管の炎症を抑える「トリプタン」があります。それでも改善しなかったり発作の回数が多かったりする場合には、てんかんなど別の病気の飲み薬を予防薬として使います。

今年4月以降に実用化された三つの新たな注射薬は、いずれも頭痛を予防する効果があります。「エムガルティ」と「アジョビ」はCGRPの働きをブロックし、「アイモビーグ」は、CGRPが血管表面の受容体と結合するのを妨げます。

経済的な不安も
読売新聞社

神奈川県内に住む団体職員の女性(48)は20歳代から片頭痛を抱え、月に15日程度、頭痛に悩まされてきました。朝方に痛みで目覚めてから、わずかな光が目に突き刺さるように感じるため、暗い部屋でじっとやり過ごしていました。

女性は今年5月から富士通クリニック(川崎市)に月1回通い、エムガルティの治療を受けています。頭痛は月5日前後にまで減り、痛みも軽くなりました。トリプタンを飲む頻度も月2、3回にとどまっています。「片頭痛が不安で、仕事やプライベートな予定を入れるのもためらっていました。今は気になりません」と喜びます。

ただし、エムガルティを含めた三つの新薬の薬価は、いずれも1本あたり4万円を超えます。女性の治療費(3割負担)は月約1万4000円といい、「長期間治療を続けると、経済的な負担が心配です」と話しています。

主治医の五十嵐久佳さんは「注射を一度中止しても、一定期間は症状が落ち着いたまま過ごせる場合があります。患者さんと相談しながら、薬を使い続けるかどうかを決めます」と説明します。

厚生労働省は、これらの新薬を適正に使用するための指針を定めています。対象は、従来の治療で十分な効果が得られなかった患者などに限定されています。投与できる医師も、5年以上の頭痛の診療経験がある専門医としています。

独協医大副学長の平田幸一さん(脳神経内科)は「今までの治療薬とは一線を画する効果がありますが、症状が改善しない場合もあります。どのような患者に効くのか今後の検証が必要です」と話しています

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