東京でスギ花粉が急増 眼のかゆみを感じたら早めに眼科へ
春の訪れとともに、東京ではスギ花粉の飛散が急速に増えています。気象情報によれば、2026年3月初旬は関東地方でスギ花粉の飛散がピークを迎えており、東京都内でも「非常に多い」あるいは「極めて多い」というレベルの日が続いています。例えば先週末には、東京都青梅市の観測点で1平方センチメートルあたり約4000個という過去最多クラスの飛散量が観測されました。これは、花粉飛散の指標で「極めて多い」とされる100個/㎠をはるかに超える数値です。
このような状況のため、当院でもこの一週間で花粉症によるアレルギー性結膜炎の患者さんが急増しています。予約なしで来院される方も多く、まさに花粉症のシーズン本番を迎えていると実感しています。気象予報でも、東京では3月上旬から中旬にかけてスギ花粉の飛散がピークになると予想されており、まだしばらく注意が必要です。
花粉症の主な症状
花粉症では、次のような症状がよく見られます。
・目のかゆみ
・目の充血
・涙が出る
・まぶたの腫れ
・鼻水、くしゃみ、鼻づまり
特に眼科では、「とにかく目がかゆい」という訴えで来院される方が多く見られます。
花粉症のしくみ
では、なぜ花粉が目に入るとかゆくなるのでしょうか。
スギ花粉は非常に軽く、風に乗って大気中を舞いながら広い範囲に飛散します。こうして飛んできた花粉が眼の表面、つまり結膜や涙液の上に付着します。花粉は表面に抗原となるタンパク質を持っており、眼の表面で花粉の外壁が破れると、その抗原が結膜の免疫細胞に提示されます。
すると、体内では「これは異物だ」と認識され、IgE抗体を介したアレルギー反応が起こります。結膜には肥満細胞(マスト細胞)と呼ばれる免疫細胞があり、この細胞が刺激されるとヒスタミンなどの炎症物質を放出します。
このヒスタミンが神経を刺激することで強いかゆみが生じるのです。さらに血管拡張や炎症が起こり、充血や涙、まぶたの腫れなどの症状につながります。
花粉症を軽くする二つの方法
この仕組みから考えると、花粉症を軽くするためには大きく二つの方法があります。
① 花粉の抗原提示を減らすこと
・花粉の多い日の外出をできるだけ減らす
・外出時にはメガネやマスクを使用する
・帰宅時には衣服についた花粉を払う
・室内に花粉を持ち込まない
このような工夫で、目に入る花粉を減らすことができます。
② 体内のアレルギー反応を薬で抑えること
花粉症の治療では薬物療法も重要です。
眼科では、
・抗アレルギー点眼薬(例:アレジオンLXなど)
が基本となります。これらはアレルギー反応を抑え、かゆみや炎症を軽減します。
さらに、症状が強い場合には
・ステロイド点眼薬(0,1%フルメトロン点眼液など)
を短期間使用して、急激な炎症とかゆみを抑えることもあります。
また、全身のアレルギー反応を抑えるために
・抗アレルギー内服薬(アレジオン内服薬など)
を併用することも効果的です。
鼻水や鼻づまりなど鼻症状が強い場合には、
・抗アレルギー点鼻薬
の併用も考慮されます。
花粉症シーズンの診療体制
この季節は、予約のない花粉症患者さんの来院が急増します。そのため当院では、花粉症治療の処方モデルをあらかじめ準備し、問診や診察をできるだけ効率よく行うことで、全体的な患者さんの待ち時間を短くするよう努めています。
ただし、眼科を受診した際には、花粉症とは別の病気が偶然見つかることもあります。たとえば、これまで気づかれていなかった緑内障などが発見されることもあります。その場合には、精密検査や詳しい治療は別の日に改めて行うことがあります。再来を指示された場合には、なるべくその指示に従って受診してください。
目のかゆみを感じたら早めの受診を
花粉症は、症状が強くなってから治療するよりも、早めに治療を開始する方が症状を軽く抑えられることが知られています。
もしこの季節に
・目のかゆみ
・充血
・涙
などを感じたら、我慢せず早めに眼科を受診してください。
適切な治療で、つらい花粉症の季節を少しでも快適に過ごしていただければと思います。



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