
緑内障の疑いについてのご説明
目の奥には、視神経という「見るための神経の束」が集まっている部分(視神経乳頭)があります。その中心には少しへこんだ部分(カップ)があり、これは誰にでもある正常な構造です。ただし、そのカップが大きくなったり深くなったりしている場合、緑内障という病気の初期のサインであることがあります。
視神経乳頭の大きさと中央のカップの大きさを比べたときに、カップが視神経乳頭の6割(60%)以上を占めるようになると、私たちは「陥凹拡大」と呼び、緑内障の可能性があるかを詳しく調べることになります。
また、眼底(網膜)を詳しく見ると、特に上や下の部分で神経の層が薄くなっていることがあります。これも緑内障の初期に見られる変化の一つです。
カップの大きさ自体は平均的な範囲にありますが、そのへこみ(陥凹)がとても深いのが特徴的な眼もあります。このような「深いへこみ」は、神経が徐々に減ってきている可能性を示すことがあります。そのため、すぐに病気とは言えませんが、緑内障の前ぶれのような状態として注意深く経過を見る必要があります。
一方で、近視が強い方や、もともと家族的にへこみが深い方もいらっしゃいますので、すぐに病気と決めつけることはありません。今後、視野検査や神経の厚みを調べる検査(OCT)を定期的に行い、へこみの広がりや深さ、視野の変化が起きていないかを確認していきます。
このように早い段階で兆候に気づくことで、将来的な視力の低下を防ぐことができますので、ご安心いただきながら、今後の検査にご協力いただければと思います。
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