緑内障治療におけるSLTレーザーとは?
私自身では行ってはいない方法ですが、患者さんから緑内障に対して行われることがあるSLT レーザー治療について説明してほしいという質問を受けましたので調査してみました。
- SLTとは?
SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)は、眼圧を下げるためのレーザー治療法のひとつです。点眼薬による治療が難しい場合や、点眼の副作用が気になる患者さんに対して行われます。
- どのような仕組みですか?
眼内の房水(ぼうすい)という液体は、線維柱帯という排出口から排出されます。SLTは、この線維柱帯に低エネルギーのレーザーを照射することで、細胞を傷つけずに刺激を与え、房水の流れを良くします。その結果、眼圧が自然に下がるのです。
この「選択的」とは、メラニン色素を含む細胞のみに反応して、他の組織にはダメージを与えないという意味です。
- 治療の特徴とメリット
- 痛みが少ない:麻酔の点眼だけで施行できます。
- 外来で受けられる:入院は不要で、数分で終了します。
- 繰り返し治療可能:従来のALT(アルゴンレーザー線維柱帯形成術)と異なり、組織を傷つけにくいため、再治療が可能です。
- 薬の数を減らせる可能性:点眼治療の補助として、薬を減らしたい患者さんにも適しています。
- 対象となる患者さん
- 初期の開放隅角緑内障
- 高眼圧症(緑内障の前段階)
- 点眼治療にアレルギーや副作用がある人
- 点眼の継続が難しい高齢者や介護が必要な人
- 注意点と副作用
- 効果は個人差があり、約7~8割の患者で眼圧下降が見られます。
- 効果は2~5年程度持続することが多く、必要に応じて再施行されます。
- 一時的に眼圧が上がることがありますが、通常はすぐに戻ります。
- 稀に炎症や目のかすみを感じることがあります。
- 参考になりそうなユーチューブを採録して置きます。
コメント