神経眼科

[No.2041] 発作性で回転性の眩暈では何を考える?

Q:発作性で回転性の眩暈のエピソードが複数回有った。診察時には眼振は全くなく、滑動性追従運動も衝動性眼球運動にも乱れは有りませんでした。考えられる変化は?

A: 発作性、回転性眩暈は、内耳の問題によって引き起こされることが多いです。以下に、その主な原因をいくつか挙げてみます:

  1. 良性発作性位置性眩暈(BPPV):これは最も一般的な原因で、耳の中のカルシウム結晶が適切な位置から動いたときに発生します。患者さんは、その体位を変えた時にめまいを感ずるとも言います。

    良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは

  2. メニエール病:これは内耳の液体バランスの異常が原因で、重度の眩暈を引き起こすことがあります。:メニエル病とは、「めまい」と「吐き気」の発作が繰り返し起こる病気です。一般的には「耳鳴り」や「難聴」をともないます。;発作は数分で治まることもあれば、数時間続くこともあります。また、長期間にわたって何度も発作を繰り返す人もいれば、一回かぎりの人もいます。30~50歳代に多く、高齢者にあまりみられないのも特徴です。発作を繰り返すと、耳鳴りが残ったり、難聴が進んだりすることもありますが、症状には個人差があります。耳鳴り:めまいの発作が起こる前にひどくなるようです。発作を繰り返すうちに、慢性的な耳鳴りになっていきます。難聴:発作とともに難聴になる場合と、発作を繰り返すうちに聴力が落ちてくる場合があります。一般的には低音が聞きとりにくくなるようです。ふわふわ感:身体が傾く感じになって、実際によろけてしまったり、静止している物が動いているように見えたりします。その他:発作の時には自律神経の働きがおかしくなり、吐き気や顔面蒼白、冷や汗、頭が重いなどの症状が現れることがあります。
  3. 前庭神経炎:これは内耳の炎症で、感染症や免疫系の反応によって引き起こされることがあります。:前庭神経炎とは、内耳と脳をつなぐ前庭神経に炎症が起こり、誘因なく、突然、強い回転性のめまいが生じる病気です。 前庭神経は三半規管や耳石器が感じた姿勢の情報を脳に伝える機能があり、片方の耳に前庭神経の炎症が起こると左右差が生じてバランスが崩れ、めまいが起こると考えられています。(発作と緩解を何回か起こしている点からこれは否定的かもしれない。)

◎ これらの症状が現れた場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。神経眼科医としては、平衡覚関連の疾患が得意な耳鼻科医への紹介も視野に入れながら、診察を続けましょう。

 

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