清澤のコメント:私のような開業医でも難治性視神経炎に含まれる視神経炎患者を診ることがしばしばあります。NMOSDとMOG抗体陽性視神経炎はそれぞれ、視神経炎の10%程度は居るようです。最近、神経眼科誌(neuro-ophthalmology Japan)の2021年No4が届きました。その特集が視神経炎の新たな治療戦略(企画編集は毛塚剛司・石川均の両先生)です。此処の内容は相当に専門的ですが、序論の部分は何とか読み下しができました。要点を抜き書きしてみます。新型コロナ暗戦勝や、そのワクチンで誘発される視神経炎にMOG抗体が見られるという話題も最近は仄聞するところです。
ーーーーー序論抄出ーーーーーー
◎序論、毛塚剛司先生の記述から抜粋:ステロイド抵抗性でより重症化しやすい抗アクアポリン4関連視神経炎、視力は比較的良いが再発しやすい抗MOG抗体関連視神経炎が判明し分子標的治療の時代が来た。特集の内容は:
三須建郎(東北大神経内科):視神経脊髄炎関連疾患(NSOSD)の病態での、補体の重要性。メカニズムに基づいた効果的治療薬が開発された。
荒木学(川北総合病院神経内科):IL-6が疾患活動性マーカーとして重要であること。IL-6受容体抗体を用いてIL-6k理路の阻害によりNMOSDの重症化を防止できる。
三村治(兵庫医大眼科):ステロイド抵抗性視神経炎という難治性視神経炎に絞り、免疫グロブリン大量療法(IVIG)の有用性を解説。
適応があれば対象患者に処方可能であるが、それなり全身副作用も強いので眼科医と脳神経内科医が話し合って投薬していく必要がある。生物製剤は高価なので費用対効果も考慮を要す。
i以前に座長をさせていただいた毛塚先生の講演の内容も再度末尾に採録します。
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