神経眼科

[No.2969] 眼球を意図的に脱臼(globe luxation)させられる人がいます。

本日の神経眼科勉強会で意図的な眼球突出を起こせる症例の紹介を聞きました。

コメント;そこで思い出したのが、1986年(35年前)に米国の大学の眼科外来で見た黒人の若い患者さん。レジデントが上瞼を反転しようとして指に力を加えた時に、眼球が上下の眼瞼縁を越えて前方に脱臼したのです。上下の眼瞼の縁が作る輪を眼球の赤道部が前方に越えると筋紡錘を絞扼して奇妙な安定状態になります。その時には患者さんもびっくりして悲鳴を上げましたが、すぐに眼球を正面から軽く圧迫して復位ができて事なきを得ていました。あとで先生に眼窩が浅い黒人では見ることがある事と教えられた記憶があります。調べてみると眼球脱臼(globe luxation)は意図的脱臼でなくても、外傷性でも見られるようです。この病態を調べるには眼球突出ではなくて、「眼球脱臼」という単語にたどり着くことが必要です。

質問: 自分で眼球を眼窩から飛び出させることができる人の症例について知っていますか?

回答: はい、自分で眼球を眼窩から脱臼させることができる人の症例が記録されています。この状態は「眼球脱臼(globe luxation)」と呼ばれます。この珍しい現象は、外傷や自発的に、または意識的な努力によって発生することがあります。

自発的な眼球脱臼は、浅い眼窩や緩い眼窩組織などの解剖学的な素因を持つ人々に見られることが多いです。これらの人々は、まぶたを操作して眼球を突出させることができます。しかし、これは眼や周囲の構造に深刻な損傷を与える可能性があるため、推奨されません。

例えば、エンターテイメント目的で眼球を飛び出させる訓練をした人々の記録があります。これには、眼球突出の最遠記録を設定するなどの例があります。しかし、このような症例は慎重に扱う必要があり、視神経損傷や網膜の問題などの合併症を避けるために注意が必要です

この能力や状態を持つ患者に遭遇した場合、眼球脱臼の素因となる解剖学的または全身的な問題がないかを評価し、適切な管理を行って潜在的な損傷を防ぐことが重要です。

オリジナルの報告

眼球脱臼に関する症例報告として、以下の文献があります:(最初の図は下記最初の症例報告の写真です。)

これらの報告は、眼球脱臼の原因、診断、管理方法について詳しく述べています。詳細な情報が必要な場合は、これらの文献を参照してください。読んで見るとどのような人に見られるかなどが記載されています。本日の症例は視野欠損を起こしてますので、それを警告する内容であれば、今後読まれ引用される症例報告になることでしょう。

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