患者さんからrevital visionを含む視覚トレーニングについて問われ、調査してみました。現況での説明としては次のようになります。
視覚トレーニングについてのご説明
視覚トレーニングは、目の機能や視覚処理能力を向上させることを目指す非侵襲的なリハビリテーションの一環です。特定のプログラムを用いて、脳と視覚系が協力して情報を処理する能力を強化し、視覚の質を向上させることを目指すというものです。
いわゆる視覚トレーニングの目的
- 視覚の快適性を向上させる
- 視力低下や視覚処理の問題を改善する
- 一部の症例でコントラスト感度や視力の向上を図る
適応が期待される主な対象
- 弱視(アンビリオピア)
- 両眼視の問題(斜視や融像の困難)
- 特定の視覚障害のリハビリテーション
- 老視や白内障手術後の視覚調整
RevitalVisionを含む視覚トレーニングプログラムについて
現在、RevitalVisionは視覚トレーニングの一つとして注目されています。特に、成人の弱視や近視、老視、術後リハビリなどへの応用が試みられています。米国食品医薬品局(FDA)では、一部の適応症例において承認を受けていますが、治療効果は症例によって異なり、必ずしもすべての患者さんに効果が保証されるものではありません。
現在の学術的評価について
- 米国眼科学会(AAO)などの専門学会によるガイドラインや推奨は現時点で限定的です。
- 効果に関する科学的根拠(エビデンス)は個々の研究結果に依存しており、一般的な治療として広く認められているわけではありません。
注意点
視覚トレーニングは、補助的なアプローチとして活用されるべきものであり、他の治療法や矯正方法を補完する役割を果たします。効果や適応については、事前に十分な診察とカウンセリングを行った上で、個別に判断されることが重要です。
清澤のコメント:弱視や両眼視の発達不全に対して小児眼科で正式に勧められる「斜視及び弱視に対する訓練」は確実に存在します。それ以外の経路での、眼科医を介さないネットなどで見る「いわゆる視覚トレニング」には十分ご注意ください。
コメント