神経眼科

[No.3082] revital visionを含む視覚トレーニングについて問われ、調査してみました

患者さんからrevital visionを含む視覚トレーニングについて問われ、調査してみました。現況での説明としては次のようになります。

視覚トレーニングについての説明

視覚トレーニングは、目の機能や視覚処理能力を向上させることを目指す非侵襲的なリハビリテーションの一環です。ホームページにはガボール博士の業績の名前が出ていました。これは、特定のプログラムを用いて、脳と視覚系が協力して情報を処理する能力を強化し、視覚の質を向上させることを目指すと記載されています。

いわゆる視覚トレーニングの目的

  • 視覚の快適性を向上させる
  • 視力低下や視覚処理の問題を改善する
  • 一部の症例でコントラスト感度や視力の向上を図る

適応が期待される主な対象

  • 弱視(アンブリオピア)
  • 両眼視の問題(斜視や融像の困難)
  • 特定の視覚障害のリハビリテーション
  • 老視や白内障手術後の視覚調整

RevitalVisionを含む視覚トレーニングプログラムについて

現在、RevitalVisionは視覚トレーニングの一つとして提唱されています。特に、成人の弱視や近視、老視、術後リハビリなどへの応用が試みられています。米国食品医薬品局(FDA)では、一部の適応症例において承認を受けていますが、その治療効果は症例によって異なり、必ずしもすべての患者さんに効果が保証されるものではありません。

現在の学術的評価について

  • 米国眼科学会(AAO)などの専門学会によるガイドラインや推奨は現時点で限定的です
  • 効果に関する科学的根拠(エビデンス)は個々の研究結果に依存しており、一般的な治療として広く認められているわけではありません。

注意点

視覚トレーニングは、補助的なアプローチとして活用されるべきものであり、他の治療法や矯正方法を補完する役割を果たします。効果や適応については、事前に十分な眼科医による診察とカウンセリングを行った上で、個別に判断されることが重要です。

清澤のコメント:弱視や両眼視の発達不全に対して小児眼科で正式に勧められている「斜視及び弱視に対する訓練」は確実に存在します。それ以外の海外を含むネットなどによる経路での、眼科医を介さない「いわゆる視覚トレニング」には十分ご注意ください。

 

追記:

◎ガボールアイとは何のことですか?ガボールさんは何をテーマにいつノーベル賞が与えられているのですか?

ガボール・アイは、視力回復のためのトレーニング方法です。これは、ノーベル物理学賞を受賞したデニス・ガボール博士が考案した「ガボール・パッチ」という特殊な模様を使ったものです。このトレーニングは、視覚情報を処理する脳の機能を高めることで、視力を改善する効果が期待されています。

デニス・ガボール博士は、ホログラフィーの発明により1971年にノーベル物理学賞を受賞しました。ホログラフィーは、立体的な画像を記録・再生する技術で、現在の3D技術の基礎となっています。ガボール博士の研究は、光学や情報処理の分野に大きな影響を与えましたが、彼は医師でも生物学者でもありません。また半世紀も前の話です。

日本で「ガボール・アイ」について説明している著名な人物の一人は、眼科医の平松 類先生です。彼は「ガボール・アイ」に関するいくつかの著書を執筆しています。例えば、以下のような本があります:

  1. 13分まちがいさがしで目がよくなる! ガボール・アイ』
  2. 13分楽しむだけで勝手に目がよくなる! ガボール・アイ』

これらの本では、ガボール・アイのトレーニング方法やその効果について詳しく説明されています。しかし、この場合、目が良くなるというのは「訓練による各種弱視の改善」という意味であり、網膜や視神経の疾患による視力低下を対象とし治療するものではありません。また近視等による裸眼視力の低下を改善の対象とするものでもないことにご留意ください。

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