神経眼科

[No.3442] 謹告:原著論文「日本のビジュアルスノウ」Cephalgia(頭痛 IF=5.0)への掲載決定

謹告;喜ばしいメールが届きました。この記事はこの記事末尾の「論文出版後の効果的な宣伝ステップ」に従い私のチャネルで皆さまにお知らせするものです。ゲラ完成まで内容のご閲覧は暫時お待ちください。72歳の開業医にして国際的医学雑誌論文の共著者に加われたことを誇りに思っています。

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患者さん向けにわかりやすく書き直した要約文は以下の通りです。


ビジュアルスノウ症候群について ~日本の患者さんの特徴~

ビジュアルスノウ症候群(Visual Snow Syndrome:VSS)とは、視界の中にいつも「砂嵐」や「ノイズ」のようなチラチラしたものが見える病気です。この症状に加えて、まぶしさ(羞明)、夜間の見えにくさ(夜盲)、光の残像が残る(残像症:パリノプシア)など、さまざまな目の不調が起こることがあります。

私たちは、日本のVSSの患者さん148人について、視力や目の状態、片頭痛の有無などを調べました。

その結果、以下のようなことが分かりました。

  • VSSの患者さんは、一般の人より視力が低めであることが多い

  • 左右の目の屈折度数に差がある人が多い

  • 片頭痛を持っている人が多い

  • 特に、まぶしさを強く感じる人ほど視力が低下している傾向がある

  • また、片頭痛を持っている人ほど「残像が残る」症状が強い傾向がありました

さらに、患者さんの中には、自然に症状が改善した方も10人いました。VSSが高齢の方に少ないのは、このような自然改善が関係しているかもしれません。


まとめ

ビジュアルスノウ症候群はまだあまり知られていない病気ですが、視力や片頭痛との関係があることが分かってきました。症状にお困りの方は、眼科や神経内科などで相談してみましょう。まれに自然に良くなる方もおられるので、あきらめずに経過をみることも大切です。

ーーー雑誌編集部からの通知ーーーー

件名:『日本におけるビジュアルスノウ症候群の特徴と片頭痛との関連』(鈴木幸久、清澤源弘)について

あなた方の論文がCephalalgia誌(2023年のインパクトファクター5.0)に掲載されることが決定しましたので、謹んでお知らせいたします。

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正式な原著の翻訳;日本におけるビジュアルスノウ症候群の特徴

著者:鈴木幸久 医学博士(MD, PhD)¹²³、清澤源弘 医学博士(MD, PhD)⁴

著者所属先

¹ 地域医療機能推進機構 三島総合病院 眼科

² 東京都健康長寿医療センター 神経画像研究チーム(東京、日本)

³ 東京科学大学 眼科学・視覚科学講座(東京、日本)

⁴ 自由が丘 清澤眼科クリニック(東京、日本)

連絡先:鈴木幸久 医学博士

地域医療機能推進機構 三島総合病院 眼科

電話:81-55-975-3031、FAX:81-55-973-3647、メール:suzuki@f8.dion.ne.jp

本研究は、地域医療機能推進機構 三島総合病院 眼科で実施された。

ランニングタイトル:日本におけるビジュアルスノウ症候群


要旨

目的:ビジュアルスノウ症候群(VSS)は、視野内に持続的かつ連続的な砂嵐やノイズが見える現象であり、残像(パリノプシア)、羞明、夜盲など様々な視覚症状を伴う。我々は、日本におけるビジュアルスノウ症候群患者の視力、球面等価屈折値、片頭痛の有病率および追加症状を含む状態を調査した。

方法:VSS患者148名(男性54名、女性94名、平均年齢30.0歳)および対照群147名を対象とした。矯正視力、左右の球面等価屈折値の平均および差、片頭痛の有無をそれぞれ比較した。VSS患者においては、多変量ロジスティック回帰分析を用いて、片頭痛と症状(パリノプシア、自覚性視覚現象、夜盲、羞明、感覚過敏、耳鳴)との関連、ならびに視力と追加視覚症状(パリノプシア、自覚性視覚現象、夜盲、羞明)との関連を検討した。

結果:VSS患者では、矯正視力の低下、左右の球面等価屈折値の差の増大、および片頭痛の有病率の高さが観察された。ロジスティック回帰分析により、片頭痛とパリノプシア、視力と羞明との間に有意な相関が認められた。

結論:VSS患者では、羞明が視力低下を引き起こしている可能性がある。VSS症状の自然改善が10名の患者に認められ、高齢者におけるVSSの有病率が低いことと関連している可能性がある。

キーワード:改善、片頭痛、パリノプシア、羞明、ビジュアルスノウ症候群

ーーー本部からの通知内容ーーー

原稿ファイルが制作チームに引き継がれると、オープンアクセスのポータルサイトがご利用いただけるようになります。このポータルには、寄稿者用のフォームや、論文の出版に必要な関連書類が含まれています。

ポータル内の各種フォームにご記入いただいた後、ゲラ校正(PDFファイル)がメールにて送付されますので、ご確認をお願いいたします。

なお、引き続き著者が試みるべき事10件という別のメールも届きました。

【論文出版後の効果的な宣伝ステップ(110の要約)】

  1. ソーシャルメディア活用
     ResearchGateLinkedInX(旧Twitter)などで概要や図を交えて論文を紹介。共著者や関係機関をタグ付けし、ハッシュタグで可視性を高める。
  2. ブログや記事の執筆
     専門知識がない人にも分かりやすく、研究の意義や影響をブログで紹介。人気科学ブログとの連携も検討。
  3. メディア対応
     プレスリリースの発信や、ジャーナリストとのインタビューに応じてメディア露出を狙う。
  4. 研究発表の場を広げる
     学会、ウェビナー、ポッドキャストなどで研究を紹介し、Wikipediaへの掲載も検討する。
  5. 専門家プロフィールの更新
     Google ScholarORCID、学術用CVなどに新たな論文情報を反映させる。
  6. 学術コミュニティとの交流
     SNS投稿やディスカッションフォーラムで研究を紹介し、引用や議論を促す。
  7. 所属機関の広報活用
     所属機関のニュースレターやメール配信を通じて論文を紹介。リポジトリ登録も推奨。
  8. 影響力の追跡
     AltmetricGoogle Scholarアラートなどで論文の閲覧数や引用の動向をモニターする。
  9. 共著者との連携
     共著者と協力して、各自のネットワークでの論文共有を進め、広範な拡散を狙う。
  10. 継続的な関わり
     後続研究の情報発信や、読者とのオンラインでの対話を通じて長期的な関心を維持する。
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