ボールによる眼球打撲の診察
本日はボールが直前に目にあったったという患者さんが来院されました。
眼球打撲に伴う結膜下出血と軽い前房出血について、患者さんと家族向けの説明文を作ってみました。
眼をぶつけたあとに白目が真っ赤になることがあります。これは結膜下出血と呼ばれ、白目の表面にある細い血管が切れて出血した状態です。見た目は驚くほど赤くなりますが、痛みや視力低下がほとんどなければ、多くの場合は自然に吸収され、1~2週間ほどで消えていきます。
一方、前房出血とは、黒目(角膜)と虹彩のあいだの空間に血液がたまる状態です。軽い場合は、血液がわずかに混じる程度で、注意深く経過を見ることで自然に改善することが多いです。ただし、再出血や眼圧上昇といった合併症が起こることがあるため、結膜下出血よりも慎重な管理が必要になります。このほか網膜の黄斑部に浮腫を伴う場合もあります。
点眼薬について
軽い前房出血では、炎症を抑える点眼薬(ステロイド点眼 フルメトロンなど)が用いられることがあります。これは、眼の中の炎症を鎮め、再出血のリスクを下げる目的です。また、瞳孔を広げる点眼薬(散瞳薬)を併用することもあります。これにより、虹彩の動きを抑え、痛みの軽減や癒着予防につながります。結膜下出血のみの場合は、原則として特別な点眼を必要としないことも多いですが、表面の刺激感があれば保湿用の点眼を行うことがあります。
内服薬について
通常、軽い前房出血では強い内服治療は不要です。痛みがある場合にはアセトアミノフェンなどの鎮痛薬を使うことがあります。ただし、アスピリンや一部の解熱鎮痛薬は血を止まりにくくする作用があるため、医師の指示なく使用しないことが大切です。
補助的な治療・生活上の注意
治療で非常に重要なのは安静です。特に受傷後数日間は、激しい運動や力む動作を避け、頭をやや高くして休むことが勧められます。これにより、再出血のリスクを減らすことができます。また、眼をこすらないこと、飲酒を控えることも大切です。医師の判断で眼帯や保護眼鏡を使うこともあります。
軽い前房出血は、適切な点眼と生活上の注意を守ることで、多くの場合は後遺症なく治ります。ただし、視力の低下、痛みの増強、黒目の前に血がたまって見える感じが強くなった場合は、すぐに再診が必要です。外見上軽そうに見えても、眼の中では変化が起きていることがあるため、指示された通院と検査をきちんと受けることが、将来の視力を守るうえでとても重要です。



コメント