神経眼科

[No.732] レビー小体病の眼症状とは

清澤のコメント:家族がレビー小体型認知症と診断された方から、その疾患について聞かれました。レビー小体病は幻視を前面に示す認知症として我々神経眼科医にも知られています。レビー小体型認知症では、見えないものが見えたり(幻視)、認知機能が良い時と悪い時の波がある(認知機能の変動)、歩行など動作の障害(パーキンソン症状)、大声での寝言など睡眠中の行動異常(レム睡眠行動障害)などの特徴的な症状があらわれます。(上図は相談いい老後ネットから借用

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米国眼科学会のNeurodegenerative Diseases神経変性疾患の解説(→リンク)では、びまん性レビー小体型認知症はパーキンソン病と並んで、あるいはパーキンソン病の一部として扱われています。(もともと歴史的にはレビー小体はパーキンソン病の病理マーカーとして扱われていました。下のビデオ参照。)

パーキンソン病、 びまん性レビー小体型認知症(Diffuse Lewy Body Disease;DLBD):

別のα-シヌクレイノパチー(α-synucleinopathy)であるびまん性レビー小体型認知症DLBDは、認知症を伴うパーキンソニズムを特徴としますが、PDやアルツハイマー病(AD)ほど一般的ではありません。(清澤注:日本の認知症ではアルツハイマー病50%、レビー病20%、脳血管性痴呆15%の順で多いとされる)認知障害は、病気の最初の1年以内に発生し、記憶喪失、不注意、失行、および空間識失調が含まれます。これらの欠陥はしばしばその重大度が変動します。幻覚、妄想、妄想、睡眠障害、自律神経機能障害が一般的です。レビー小体はPDよりも広く分布しており、初期の顕著な皮質の症状に関与があります。

DLBDの視覚症状は、主に疾患過程からの視覚皮質機能障害を反映しています。形成されたまたは形成されていない視覚的幻覚は、DLBD患者の3分の2に存在し、錯覚も一般的です。(それを避けるには部屋の照明を明るくすることなども推奨されていました。)

幻覚はDLBDの初期の兆候として機能し、パーキンソン症候群に先行する可能性があります。病気の初期の誘発されていない視覚的幻覚の存在はDLBDの特徴であり、PDとADの両方からそれを区別します。DLBDの患者は、視空間障害、錯覚、および物体が動いたり形を変えたりするという誤解も経験します。視覚機能障害の皮質基盤の証拠は、フルオロデオキシグルコース陽電子放出断層撮影(FDG-PET)で見られます。これは、びまん性代謝低下を示し、ADとは対照的に、一次および関連する視覚野に影響を及ぼします。DLBDでは、垂直および水平の核上性凝視麻痺はまれですが記載はあります。

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レビー小体型認知症は眼瞼痙攣の原因にもなる:レビー小体型認知症の神経眼科

下のビデオは英語で厄介ですが、レビー小体が形成される様を説明したビデオです。

 

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